歴史・自然

環境省サンゴ礁保全計画 モデル事業「壱岐島」を選定

環境省が策定するサンゴ礁生態系保全行動計画のモデル事業に壱岐島が選定されたことがわかった。モデル事業に選定されると、同省から環境教育のための専門家を派遣や教材の提供など地域の取り組みに対する支援を受けられる。
同行動計画は、日本のサンゴ礁の生態系を守るための具体的な行動を示すもので、現在は第3期(2022-2030)。サンゴ群集に関する科学知見の充実や継続的なモニタリングや持続可能なツーリズムの推進など4つの重点課題を設定している。
モデル事業は、その重点課題に関連した地域主体の取り組みを支援し、その地域の知見を他地域に展開する目的で、第2期(2016‐2020)から選定している。
第2期では与論島(鹿児島県)、喜界島(同)、石垣島米原海岸(沖縄県)の3か所を選定。陸域からサンゴ礁への負荷を軽減する対策や海岸の適正利用のルール策定、サンゴ礁文化の掘り起こしと活用をテーマに展開した。
第3期では壱岐島と下地島・伊良部島(沖縄)が選ばれ、壱岐島は高緯度サンゴの生息地として初となった。
本市では2001年に郷ノ浦町の黒崎半島周辺でサンゴ礁が発見され、それまで種子島・屋久島とされていたサンゴ礁の北限を更新。04年から環境省のモニタリング調査が始まったほか、市民団体の壱岐のサンゴを護る会も結成され、保全活動の推進に向けた取り組みが始まっている。
壱岐島のモデル事業では、サンゴ情報の整備と認知の向上とサンゴ保全のための地域連携の促進の2点を目的とし、次年度にかけてこれまでの観察データを整理していくほか、学校での環境教育も検討されている。
黒崎半島のサンゴ礁を発見して以来、観察を続けている国立環境研究所生物多様性領域上級主席研究員で、東京大学の山野博哉教授は取材に「ようやく国が関わる保全のステージに入り、研究してきたことが着実に実りつつある。認知度を上げて、保全と活用に向けて取り組みを続けたい」と話した。

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