勝本町、原田酒造のクラフトビール醸造所「アイランドブルワリー」は15日から、アコヤ貝(真珠貝)の身を使ったビール「パールスタウト」の販売を始めた。同社の代表、原田知征さん(46)によるとアコヤ貝で仕込んだビールは世界初という。
牡蠣エキスを使ったビール「オイスタースタウト」を知った原田さんが「アコヤ貝でも作れるのでは」と企画。内海湾で真珠貝を養殖する山本真珠の山本壽一さん(69)に話を持ち掛けた。
山本さんによると、アコヤ貝の真珠を取り出した後の身は、以前は食べられていたものの、現在は貝柱を除いて廃棄されている。原田さんの推定では県内で年間60㌧の身が廃棄されているという。
製造では身を煮てエキスを抽出。濾過の過程では殻も使い、貝の風味もビールに生かした。
3~4年かけて貝を育てているという山本さんは「はじめはビールに合うのかなと思ったが協力することにした。(廃棄する部分を活用することは)いいことだと思う。美味しいビールになれば」と話した。
原田さんはフードロスに取り組んでおり、製造で毎月2百~3百㌔出る麦芽かすを牛の餌や堆肥作りとして提供している。「県内、市内のものを使って喜んでいただけるビール造りをしていきたい」と話した。
パールスタウト(330㍉)は税込8百円(島内は750円)。