静岡県富士市の産業支援センターf‐Bizをモデルに、地場の中小企業や小規模事業者を対象とした無料事業相談、コンサルティングを行うため、全国Bizの13か所目として2017年8月22日に市が郷ノ浦町に開設した「壱岐しごとサポートセンターIki‐Biz」が、8月31日に閉所した。
当初は森俊介センター長、平山真希子副センター長の体制でスタートしたが、19年7月に平山さんが退所。今年3月には森センター長が市長選出馬のために退所し、実質的な新規相談業務は受け付けを中止。4月以降は残った梅田雄介さん、ウジトモコさんの2人のスタッフがこれまでの相談者のアフターフォローや制作物作成業務などを行ってきた。
梅田さん、ウジさんは8月28日、壱岐テレワークセンターで3年間の活動報告会を開いた。3年間の実績は相談件数2095件、相談事業者数357法人・個人、相談リピート率85・2%、相談後の創業件数45件、パンフレットやホームページ作成のための写真撮影件数208件だった。
相談者の年齢は39歳以下31%、40~49歳34%と若手層が多く、業種別ではサービス業が37%でトップ。その他は製造業と卸・小売り業が各12%、農林水産業9%、公務関係8%で続いた。
Iki‐Bizは他のBizと違い、単に経営アドバイス、アイデア提供を行うだけでなく、事業者と一緒になってアクションまで行うのが特徴で、商品のラベルデザインやパンフレット作製などクリエイティブな制作物は計230件も制作してきた。
梅田さんは今後について「このまま壱岐に住み続け、この3年間の経験を活かしてECサイト運営サポート、飲食物販売、デザイン、しごと困りごと相談などの仕事をしていきたい」、ウジさんは「Iki‐Bizが突然終わってしまうことは残念だが、壱岐のポテンシャルの高さを十分に感じることができた。今後は壱岐と東京の2拠点生活で、執筆、大学院の研究論文作成、デザイン研究所立ち上げに挑んでいきたい」と話した。