第69回社会を明るくする運動・中学生弁論大会(壱岐地区保護司会主催)が5日、壱岐の島ホール大ホールで開かれ、市内4中学校から各2人、計8人が「犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ」をテーマに5分間の弁論を行った。
最優秀賞に輝いたのは「見えないからこそ」の演題で弁論した芦辺3年の山口紗奈さん。山口さんはインターネットで音楽グループの掲示板を見た時に、ファンとアンチが口汚い言葉で罵り合い、その口論が次第にエスカレートし、1対1だったものが多数に発展していった様子を見て「どうして知らない相手にこんなひどい言い方をするのだろう」と不愉快になった。
そのことを通じて、SNSでのいじめが自殺者を出すなど大きな社会問題になっていること、インターネットを通した人とのつながりでは相手を気遣う思考が軽視されていることを感じ「相手の顔が見えないからこそ、相手の心を見ようとしなければならない」と提言した。
山口さんは「会場に来てくれた生徒たちにに思いが届いたら嬉しいな、という気持ちで弁論した。最優秀賞は意識していなかったが、県大会(8月1日・佐世保市)で再び発表する機会が得られたことが嬉しい」と話した。インターネット掲示板やSNSは中学に入ってから見るようになったが「トラブルが怖いので自分では書き込みなどはしていない。言い争いになっていても、止めたら反論されるので止めることもできない。相手のことが見えていないから、ひどいことを言えるのだと思う」とネット社会の問題点を指摘した。
講評した鯨伏小校長の赤木健二審査委員長は「内容を目の前にいる人に伝えようとする表現力に圧倒された」と弁論を評した。