壱岐市役所のフェイスブックページが4月27日に開設された。「自治体や首長もSNSを利用して積極的に情報発信をすべきだ」との要望は、これまで市議会一般質問で何度か取り上げられてきた。SNSの有効活用は市民サービスの向上につながるだけでなく、観光や移住などにも大きな影響を与えているケースがある早い自治体では7~8年前からSNS活用に取り組んでおり、本市もようやく重い腰を上げたわけだが、初日の投稿「壱岐市Facebook運用方針」を見ると、今後がやや心配になってきた。「お堅い」のだ。
自治体運用としてトラブルが生じないよう万全を期す気持ちは理解できるが、「当ページへの『いいね!』については原則として拒否しません」「当ページからの『いいね!』機能は原則として使用しません。ただし国や地方自治体、関係機関の運用する公式アカウントはこの限りではありません」「コメントに対する回答は控えさせていただきます」。おそらく他の自治体のページを参考にしたのだろうが、いきなりお役所文章でこのような投稿がされたら、ワクワク感がまったく起きない。投稿内容も「原則、市ホームページと連動して投稿します」となると、フェイスブックを始める意義も感じられない。
開設半年で9万3千件の「いいね!」を集めた南島原市の「撮ってくれんね!南島原コンテスト」は、市内の魅力を映した写真や動画を紹介することに特化させたページで話題になっている。壱岐市が拒否しているコメントへの返信を熱心に、時には柔らかくかわしながら行って、市民などとの距離を近づけている自治体もある。ホームページでは対応できない速報性、柔軟性、運用者と閲覧者の交流などがSNSの最大の特徴。特に速報性は、確証が取れた情報ではなかったとしても、災害対応に重要な役割を果たすことがある。批判やトラブルを恐れて杓子定規な運用をしていては、SNSの意義が薄れかねない。