社説

社説・選挙の事前運動は新聞社も厳禁

市内は3週間後に迫ってきた市議選の話題で盛り上がってきている。壱岐市民はどの選挙でも投票率が高く、政治への関心、意識が極めて高い。これは大いに誇れることだ。特に、候補者のほとんどが顔見知りの市議選は、より感情移入が強くなるようだ。
一方で、報道する立場としては、市議選ほど取り扱いが難しい選挙はない。定数、立候補者数が多いため、平等に扱おうとすると、1人当たりの情報量は極めて少なくなってしまう。投票の判断材料となるような内容を読者に伝えることは、紙面スペースの面でも、告示から1週間後に投票日を迎える日程面でも、かなり難しい。
もっとも気を付けなければならないことは、告示前の新聞記事が立候補予定者の「事前運動」に抵触しないか、という点である。選挙報道に関して、テレビは放送法で細かな規定があるが、新聞・雑誌はかなりの範囲で「報道・言論の自由」が認められている。だがそれはあくまでも選挙期間中の「選挙報道」に関してのことである。
立候補予定者自身はもちろん、運動員、一般人(第三者)も公職選挙法で告示前の事前運動は禁止されている。新聞社も当然「第三者」に含まれるので、この法律に従わなければならない。
告示前でも認められている「政治活動」と、禁止されている「選挙活動」の境界線は微妙だが、一般的には、選挙を前提としていない議会、政党・政治団体での活動が「政治活動」として扱われる。2日に投票された東京都議選を例にとれば、都民ファーストの会や自民党、小池都知事や安倍首相に関しては告示前でも記事が溢れていたが、その立候補予定者については「出馬するか、しないか」レベルの記事しか見られなかった。
新聞・雑誌がこの「事前運動」の概念を持たずに立候補予定者の顔写真、名前などを掲載したら、その予定者にとてつもない迷惑が掛かるケースも考えられる。壱岐市議選告示は23日、壱岐新聞は慎重で公平な報道を心掛けていく。

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