10月22日に玄海原発3・4号機再稼働に伴う安全対策などについて意見交換を行う県原子力安全連絡会が壱岐市で行われた。
九州電力からは同機の安全性向上などについて説明があり、委員からは1号機廃炉に伴う放射性廃棄物の処理問題や、事故発生時の避難道路や港湾整備についての要望などの意見が出たが、市民にとってもっと関心が高いはずの「再稼動に関しての地元同意」と「電気料金」については触れられなかった。
玄海原発再稼働については、壱岐市民の間でも賛否が分かれる問題だろうが、本市の一部が30㌔圏に入ることと、離島であるため迅速な避難が困難であることから、再稼働に関して「同意」を必要とする原子力安全協定の締結を求める動きがあっても然るべきだ。
実際に、同じ30㌔圏内に入る佐賀県伊万里市は、立地自治体である玄海町と同等の協定締結を求め続けている。離島である本市が「同意」を求める理由は、伊万里市以上にあるはずだ。
再稼働を認めるとすれば、それに伴う「代償」がなければ、市民も納得しずらい。事故発生時の極めて大きなリスクを抱え、それに備えての準備を整えているのだから、見返りを要求することは決して卑しいことではない。もっとも判りやすい代償は「電気料金値下げ」だろう。
九電は、原発停止に伴う経営圧迫により、平成25年4月に値上げを行った。今年8月に川内原発1号機が再稼働した際には「引き続き経営状況は厳しい」として値下げの考えがないことを示した。だが今月には川内2号機も再稼動し、さらに玄海3・4号機も稼動すれば、経営状況も好転する。九州全域での値下げが難しいとしても、30㌔圏内自治体に限定した値下げなら可能なはずだ。
九電は「再生可能エネルギーの活用に今後さらに取り組んでいく」としながら、壱岐市では太陽光エネルギーの新規受け入れを実質的には拒否している。負担・我慢ばかりを求められることに、壱岐市は沈黙するべきではない。