壱岐振興局は21日、市内で今年度百歳を迎える大正6年4月1日から7年3月31日生まれの12人(男2、女10)を訪問し、内閣総理大臣と県知事からの祝状と記念品を贈った。
郷ノ浦町渡良浦の大島ミヨ子さん(99、12月15日生まれ)は、口紅をひき、きれいに化粧をして自宅での贈呈式に出席。安倍晋三総理、中村法道知事からの祝状、銀杯などを大﨑義郎振興局長から手渡されると「何も功労があることはしとらんのに、生きているだけで総理から表彰されるなんてねえ。これは12月まで生きて百歳を迎えないと、申し訳ないですね。でも、戸籍は12月生まれですが、実際に生まれたのは9月13日で、この前、百歳の誕生日パーティーをやってもらったのですけど」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せた。
大島さんは50年前に夫を亡くしたが、女手一つで5人の子どもを育て上げ、昨年までは経営している商店の店番を務めていたほど元気だ。
今年5月に心臓を悪くして2度入院。救急搬送された時には心拍が停止して、救急隊員の心臓マッサージで一命を取り留めたこともあった。それだけに無理はできないが、部屋で趣味のペーパークラフト作りや俳句を詠んだり、テレビを観るなどして日常を過ごしている。食事やトイレも自分で行っている。
「耳が遠くなったけれど、テレビはイヤホンで聞けるから大丈夫。ペーパークラフトは以前のようには手先が動かないけれど、俳句は何不自由なく詠めますよ」。タバコの箱の銀紙で作ったペーパークラフトのツルを大﨑局長に見せるため、スタスタと立ち上がって奥の部屋から取ってくるなど、驚くほどしっかりとした足腰をしている。百歳を迎えても、まだまだ人生真っ只中だ。
【本年度百歳到達者】(敬称略)
▽郷ノ浦町 大島ミヨ子、元流タメ▽芦辺町 豊永茂俊、吉木ナホ、山西ハナ、久原保▽石田町 堤ヱイ▽勝本町 吉野藤子、大久保雪乃▽住所・氏名非公表3人
◇百歳高齢者の状況 厚労省が8日に発表したデータによると、今年度中に百歳を迎える人は全国で3万2097人で、前年度比350人増。9月15日現在で百歳以上は6万7824人で、前年比2132人増となっている。長崎県内の今年度百歳到達者は469人(男63、女406)。今年度中に百歳以上となる人は1390人(男158、女1232)で、本市は35人(男3、女32)。