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勇壮な海曳き、里曳き 壱岐市御柱祭に9百人参加

平成22年以来6年ぶり(数えで7年目ごと)の第4回壱岐市御柱祭(同実行委員会主催)が9日、勝本港から城山公園の区間約1・4㌔で開催された。
主役の御柱(長さ10㍍、直径1㍍、重さ2・5㌧)は8日、長野県諏訪市からトラックに積まれ、約1千㌔を24時間かけて郷ノ浦フェリーターミナルに到着した。同実行委員会のメンバーや市観光商工課の職員が横断幕で出迎えた。その後、市役所郷ノ浦庁舎前まで運ばれて、歓迎式を開催した。
「壱岐市に御柱を贈る会」の名誉会長で前諏訪市長の山田勝文さん(65)が「諏訪大社本宮一之御柱(2010年の大祭で諏訪大社に建立したモミの木)を無事に運んできた。壱岐でも子どもから大人まで心を一つにして、御柱の曳行を和気あいあいと一緒に楽しみたい」と挨拶。白川博一市長に、姉妹都市である両市の友好を誓う「絆」と書かれた御柱の切り株が贈られた。
9日の御柱祭当日は、降雨予報を覆してまさかの好天。関係者は「諏訪大社の神が舞い降りたとしか思えない」と奇跡の天候回復に驚いていた。
午前9時40分から、壱岐ならではの「海曳き」がスタート。勝本漁協横突堤から勝本地区公民館前まで、白川市長、山田前諏訪市長、金子ゆかり諏訪市長(57)ら両市関係者15人が乗った御柱が、湾内約550㍍を横断した。
午前10時50分からは、勝本地区の小中学生など市民約9百人と諏訪市から駆けつけた48人が、公民館前から城山公園まで850㍍の坂道を曳き上げる「里曳き」。子どもたちが恩柱に飾り付けられたV字型の「めどでこ」の上に登り、木遣(きや)りの掛け声と消防団による進軍ラッパに合わせて、汗だくになりながら2・5㌧の御柱を曳き、城山公園に柱を建立した
めでどこの先端に乗った勝本小6年の山口陽大(ひなた)さんは「6年前のことはまったく記憶にないので、勝本にこんなお祭りがあるのを初めて知った。高いところは最初は怖かったが、みんなで声を合わせて曳いていたので、楽しくなってきた」と御柱初体験を楽しんだ。
金子市長は「建立した御柱が、壱岐のこれからの6年を見守ってくれる。御柱の下、諏訪市と壱岐市の交流を今後も続けていきたい」と両市の交流がさらに深まったことを喜んだ。両市は松尾芭蕉の弟子で諏訪出身の俳人、河合曽良が壱岐で没した縁で、2005年に姉妹都市を締結。諏訪大社の宝殿を6年に1度建て替えるのに伴い、1998年から役目を終えた御柱を壱岐市に運び、祭りを行っている。
また、この祭りの費用として自治体クラウドファンディングで募集した支援は、59人から計71万円が集まり、御柱を曳くためのロープなど経費に活用した。

 

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