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銀輪疾走 初夏の壱岐路 サイクルフェスタに619人

壱岐サイクルフェスティバル(第27回壱岐サイクルロードレースなど3大会)が7日、市内の特設コースで行われ、3大会11部門に昨年より4人多い619人が出場し、603人が完走した。島内の出場者は50㌔8人、30㌔26人、8㌔の1人の計35人で、昨年の63人から減少した。
日本自転車競技連盟所属選手によるサイクルロードのエリート50㌔には30人が出場。同種目で3連覇を目指した白石真悟選手(34=山口、シマノドリンキング)が圧倒的な強さを見せた。昨年はエキスパート出場選手の追い上げなどもあってゴール直前での決着となったが、今年は2着以下を1分近くも引き離す独走だった。ゴール前の登りでは沿道の観客に手を上げながら「後ろはしばらく来ないよ」とレース状況を説明するほどだった。
白石は「スタート5分後くらいの登りで少し踏んだら、良い具合に協調してくれる選手が出て、5~6人の逃げ集団ができてメイン集団とちぎれてくれた。ラスト10㌔の猿岩辺りでスパートして、一気に突き放すことができたので、そのまま踏み続けた」とレースを振り返った。
1時間20分26秒のタイムは、昨年より1分22秒速かったが、「タイムよりも勝つことを重視していた。いまにして思うと(最後まで踏んで)20分を切っておきたかったかな」と余裕を見せた。同種目の3連覇は、1997年~2000年に4連覇した西山孝之さん(佐賀)に続く、2番目の連覇記録となった。
チャレンジロードレースのエキスパート50㌔は、李正明選手(22=福岡、ぱさら)が、ゴール前の登りで松永慎太郎選手を交わし、初出場初優勝を飾った。李は韓国で兵役を終えて、福岡で韓国料理店を営む母親を手伝うため1年前に来日。それから自転車を始めたので、キャリア1年での快挙となった。「小学校の時にサッカーをやっていたが、以降はスポーツ経験がない。まさか勝てるとは思わなかったが、最後は抜かせるのではないかと思い、必死にペダルを踏んだ」と笑顔を見せた。チーム仲間からは「1年でこんな走りができるなんて、天才的だね」と称賛されていた。
エキスパート50㌔女子も、初出場の近藤ゆみ選手(31=福岡)が優勝した。「サイクリングが好きだったので自転車に興味を持ち、ロードレースを始めてまだ3年目。大会での優勝はもちろん初めて。男子と一緒だったので、優勝したなんてゴールインしてもまったく気が付かなかった。アップダウンが多くて厳しいコースだったが、海沿いの美しい景色で癒すことができた。壱岐、最高です!!」と喜んだ。
大会中の転倒などによる事故が4人あったが、骨折などの重傷はなかった。ボランティアは、立哨などを行った市消防団、市職員をはじめ、各種サポートをした商工会青年部・女性部、市観光連盟、レース後の選手たちにところてん、ソーメン、壱州豆腐などを振る舞った市婦人会・青年団、壱岐民宿組合、コース脇の草刈りを行った建設・土木業者など、計約850人が大会を盛り上げ、支えた。
【成績】
▼エリート50㌔ ①白石真悟(山口)1時間20分26秒②津末浩平(大分)1時間21分17秒③大徳隆介(鹿児島)1時間21分21秒
▼エキスパート男子50㌔ ①李正明(福岡)1時間21分20秒②松永慎太郎(鹿児島)1時間21分25秒③西山信広(福岡)1時間22分29秒
▼同女子50㌔ ①近藤ゆみ(福岡)1時間40分07秒②古賀美紀(熊本)1時間41分46秒③田方佐矢子(長崎)1時間42分03秒
▼同(U‐19)30㌔ ①中森大樹(福岡)43分06秒②服平和樹(大分)43分11秒③小川旦(福岡)43分12秒
▼同(U‐39)30㌔ ①米田知司(福岡)43分05秒②片山弘基(福岡)43分07秒③浜田大和(福岡)43分07秒
▼同(U‐49)30㌔ ①田尾茂郎(兵庫)42分38秒②本田耕資(福岡)43分12秒③中村やすし(福岡)43分13秒
▼同(U‐59)30㌔ ①坂本祥一(福岡)46分24秒②福島雄二(熊本)46分25秒③水野敏彦(熊本)46分26秒
▼同(O‐60)30㌔ ①本田務(長崎)48分15秒②吉田寛介(福岡)49分06秒③宮本隆行(福岡)49分09秒
▼レディース30㌔ ①市川寿美(山口)51分48秒②徳留春美(鹿児島)53分28秒③広渡真美(福岡)57分24秒
▼ジュニアエキスパート30㌔ ①松本敬之(長崎)46分40秒②藤田翔太郎(福岡)48分02秒③原将実(長崎)49分01秒
▼小学生8㌔ ①梅澤幹太(愛媛)12分59秒②茨木覚新(福岡)13分08秒③山内伊織(福岡)13分09秒
▼中学生8㌔ ①安村昇(福岡)13分21秒②濱田智鵬(福岡)14分09秒③松尾アイザック(福岡)14分43秒
▼チーム特別賞 ①チームファンサイクル(福岡)4時間07分34秒
▼最高齢賞 緑義雄(熊本)82歳
▼遠来者賞 大久保達生(群馬)

サイクル(ゴール前の競り合いを制したエキスパート50㌔の李正明選手(左端)) サイクル(文化ホール前を色取り取りのユニフォームが一斉にスタート) サイクル(万歳ポーズでゴールするエキスパート30㌔の田尾茂郎選手) サイクル(余裕の表情でエリート50㌔3連覇を達成した白石真悟選手)

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