市議会3月会議最終本会議が23日に開かれ、白川博一市長は閉会の挨拶で、国の地方創生人材支援制度により、外務省勤務の国家公務員1人が常勤職員として市に派遣されることを報告した。派遣者名、派遣時期、壱岐市での役職についてはまだ明らかになっていないが、常勤の副市長または幹部職員として、市の地方創生における処方せんづくりに取り組む。
派遣市町村は20日、内閣府地方創生推進室が発表した。全国144市町村から派遣希望があり、そのうち69市町村(31市、32町、6村)へ派遣を決定。派遣者は国家公務員42人(すべて常勤職員)、大学研究者15人(常勤職員2人)、民間人材12人(同4人)。役職は副市町村長9人(すべて国家公務員)、幹部職員(常勤職員)39人、非常勤職員21人で、常勤職員は原則2年、非常勤職員は原則1~2年の派遣期間。制度の期間は当面、地方創生に関しての総合戦略計画期間と同じ平成31年度までの5年間となる。
長崎県内では他に島原市、対馬市、五島市が派遣希望を出していたが、採用されたのは本市と島原市だけで、同市には国土交通省から派遣が決まっている(派遣時期などは本市と同様に未定)。
このうち4~5月に派遣される51人は氏名が発表され、20日に安倍晋三総理出席の下、激励会が開催された。壱岐市への派遣者はこの中に含まれていなかったが、近く正式に発表される見通しだ。
白川市長は10、11日の一般質問でこの人材支援制度について「国家公務員の派遣は(当初の予定が)全国で25人規模と厳しいが、何とか配置されることを心待ちにしている」「壱岐市は副市長候補を希望している。省庁の希望としては①経済産業省②農林水産省③総務省の順でお願いしている」と話していた。外務省からの派遣で省庁は希望通りにならなかったものの、九州で派遣を受けたのは9市町村だけ。しかも国家公務員の派遣が実現できたことで、挨拶では「地方創生のモデルとなれるように取り組んでいく」と強力な助っ人を得られたことに満足感を表した。
市は今後の地方創生の基本的な方向として、「人口の社会減を抑制するためには起業支援、企業誘致の促進、定住促進が重要であり、そのために『島外流出を食い止めるための職づくり事業』『UIターン者の積極的な受入事業』など官民が一体となった協働プロジェクトを立ち上げて、壱岐の特色を活かした人口減少対策に取り組む」ことなどを掲げている。