焼酎文化に出会い、学び、伝えていこうと、第2回焼酎カレッジ(坂口光一校長・九州大学大学院統合新領域学府教授)が8日、D&DEPARTMENT FUKUOKA(福岡市博多区)で開催され、玄海酒造の山内賢明会長らが講演を行った。
タイトルは「焼酎の過去・現在・未来」。山内会長は「日本の焼酎の原点は、どぶろくを蒸留して作ったことから。むぎ焼酎壱岐は500年の歴史と伝統を保っており、焼酎粕を牛に食べさせる循環システムは昔から存在していた」と話し、「本当は米焼酎を作りたかったのだろうが、米の原価が高かったため、2/3を麦、1/3を米麹とした」と、壱岐焼酎の黄金比誕生の歴史を語った。
また、今後について、「壱岐の焼酎人口は全国的に見ても多いので、壱岐の人たちが納得する焼酎を造れば、島外でも売れる」と、壱岐島民の肥えた味覚を大事にしていく姿勢を示した。
講演後は焼酎バルも開催され、同酒造の「松永安左エ門」や「壱岐スーパーゴールド」など、自慢の壱岐焼酎が参加者に振舞われた。
同イベントは「Sho-Chuプロジェクト」の一環として行われ、九州一丸で焼酎を世界に売り込もうと活動している。坂口校長は「焼酎は伝統や文化などの多様性から、立体的な視点でみることが出来る。私自身も参加者と一緒に焼酎の魅力を再発見しました」と、奥深い焼酎の魅力に感慨深げだった。
▼Sho-Chuプロジェクト
2013年7月、坂口光一教授と中小企業の海外展開支援を行う株式会社Zationが九州の焼酎蔵元に呼びかけ、立ち上げた組織。焼酎という蒸留酒の存在をアピールし、海外での認知を広げ、「世界の酒」としてデビューさせていくことが目的。参加蔵元は現在、7県11社。
同年8月にはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した情報発信をスタートさせ、ニューヨークの展示会でプロモーション活動を行った。将来的には東京五輪の2020年に「世界蒸留酒オリンピック」を開催し、九州焼酎文化研究所を開設を計画している。