身体障害者の甲子園と言われる第31回全国身体障害者野球大会(特定非営利活動法人日本身体障害者野球連盟など主催)が13~14日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で開かれ、郷ノ浦町の江口慎哉さん(32)=障害区分・療育=が高知県のチーム「高知ニューフレンズ」の一員として初出場した。
選手資格は身体障害者手帳を所持する肢体不自由者か療育手帳所持者で、年齢や性別の制限はない。競技規則は障害に応じて打者の代走が認められたり、盗塁が認められなかったりするが、大筋は通常の野球のルールで行われる。今大会には全国の登録38チームから前年秋の地区予選を勝ち抜いた14チームと普及枠の2チームの計16チームが出場し、トーナメント方式であった。
江口さんが出場したきっかけは、広島市在住の内田真人さん(35)=郷ノ浦町出身、障害区分・下肢=のと縁だった。高知県高知市の大学出身だった内田さんは高知ニューフレンズに所属。今大会に臨むにあたりメンバーが不足する可能性があったことから江口さんに声が掛かった。
江口さんには内田さんの1歳年下の兄がおり、小学時代から内田さんと兄の野球を見てきた。野球経験はなく、初の試合が全国大会の大舞台となったが、兄らの野球を見てきた経験もあって、堂々としたプレーを見せた。
江口さんは8番ライト、内田さんは1番ピッチャーで出場。プロ野球でも使われるバックスクリーンの電光掲示板に名前が輝いた。惜しくも1回戦の千葉ドリームスターに6‐0で敗れたものの、敗者同士で戦った福島アクロスには5‐2で勝利した。
江口さんは「初めての試合で難しかったです。チームの皆が優しく、『しんちゃん』と声を掛けてくれていい思い出になりました。また出場したいです」と、秋の予選会へ意欲を見せている。