社説

団体を超えた情報発信の必要性。

ポータルサイトという言葉がある。元々ポータルとは、港(port)から派生した言葉で、門や入口を表し、ウェブサイトにアクセスするために、様々なコンテンツ(内容・中身)を有する、巨大なサイトをポータルサイトという。代表的な例がYAHOOのトップページだ。
壱岐でいうと、県や市、市観光連盟、商工会、JA壱岐市など、個々にあるホームページの情報をひとつにまとめ、観光客ら島外の人々が、壱岐の最新情報をすばやくキャッチ出来る、そうした仕組みであり、田舎や離島での集客には欠かせない手法のひとつとなっている。
平成24年度に壱岐振興局主催で行われた“壱岐地域こぎ出せミーティング”では、島内イベント情報の共有化を図るための話し合いが行われた。
情報の集約と情報発信の一元化である。その中で①各団体は市観光協会(当時)にイベントなどの情報提供を行う。②同協会は提供されたイベントを情報発信し、その情報を各団体で共有する。③各団体は共有された情報の協力をする、と提案された。
昨年、Iターン者として初めて盆を過ごしたが、壱岐の盆行事がわからず、苦労した。当時の市や市観光協会、商工会に問い合わせたが、「主催をしていないのでわからない」と言われ、「フリーペーパーを発行しているのなら、そちらで掲載したらどうか」と言われる始末だった。
全国的にNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の人気が高まる中、「地域おこし協力隊」として市が採用した“あまちゃん”合口香菜さんが話題となり、島外からもたくさんのテレビ取材が行われた。テレビを観て、壱岐の“あまちゃん”に興味を持った島外の人たちは、ネットで情報収集したいと思うはずだが、市や市観光連盟のホームページには“あまちゃん”情報がコンテンツとして存在していない。
壱岐が優勝した離島甲子園、プレ国体の自転車競技も市にとっては大きなイベントだったが、その情報をどう検索すれば、島外の人たちが知り得ることが出来るのか。
島単位ではなく、全国単位で情報発信していかないと壱岐の交流人口(観光客)は増えない。壱岐島民の自己満足で終わらせるのはもう止めにしよう。

関連記事

  1. 「しまとく通貨」で再来島の仕掛けを。
  2. 東京五輪へ向けて応援体制を。
  3. 台風の事前情報充実を。
  4. 身近に潜む詐欺の手口
  5. 社説・新しい風と若さを求めた市民
  6. まず「真似」から始めよう
  7. ネット再構築は大丈夫か。
  8. 市民のアイデア、力を活かそう

おすすめ記事

  1. どれだけ勉強しているかが判断材料
  2. 協力隊員に名子さん、林さん ―海の資源回復担当―
  3. 司馬遼太郎の足跡たどる 一支国博物館がバスツアー

歴史・自然

PAGE TOP