社説

離島観光客にもっと情報提供を

syasetsu 昨年8月にプレ大会を開催するなど1年以上にわたって準備を進めてきた国体自転車ロード・レースは、台風19号の影響で中止となった。選手たちはもちろん、努力を重ねてきた関係者、楽しみにしていた市民にとって残念な事態となったが、この暴風雨では仕方がない。壱岐に来た選手たちが万全の体調で、佐世保のトラック・レースに出場できることを祈るばかりだ。
この中止で、改めて離島でのイベント開催、観光客誘致の難しさを痛感した。一般市民の参加が原則の国体は、当初日程を超えての順延を行うことができない。同様に一般の観光客も、「船が出ない」という理由で旅行日程を延ばすことはなかなか難しい。会社を休めないこともあるが、割引ツアー・チケットを購入していると、日程変更は金銭的にも大きな負担となる。自ずと「予定が立てにくい離島は避けよう」という考えになりかねない。
天候の問題はどうしようもないが、迅速正確で細やかな情報の提供で、旅行者に少しでも安心感を与えることは可能だ。船便の欠航情報は、九州郵船ホームページに掲載されていない。荒天時は電話はなかなか通じないこともある。改善を求めると同時に、市、観光連盟もできる限り情報提供に協力して欲しい。
土日曜・祝日、夜間も観光客に対応できるように、当直以外にも人員配置を行ったり、登録した旅行者に対してメールで知らせるなど、もっときめ細かな対応ができないだろうか。11日午後のジェットフォイルが芦辺から郷ノ浦へ寄港地変更となり、予約をしていなかったため連絡がなく、知らずに芦辺港に来て困っていた観光客がいた。防災放送は流れたが、観光中の旅行者は聞くことができない。
欠航の案内も、直前にならなければ正式に決定できないことは理解できるが、島民ならこれまでの経験である程度のアドバイスはできるはず。航空会社やJRの窓口対応も、以前ほど杓子定規な返答ばかりではなくなってきている。親身になって旅行者の相談に乗ることができる、年中無休の窓口設置を望みたい。

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