社説

苦手な勉強もきっかけが大切。

syasetsu 沖縄本島北部の本部半島からフェリーで80分の位置にある、沖縄の最も北に位置する離島「伊平屋(いへや)島」に8月10日、東大生4人が来島し、8日間に渡る夏休み集中学習講座「東大塾」が開かれた。
沖縄は全国の学力テストで6年前から最下位。伊平屋島には学習塾もなく、中学を卒業したら大多数が高校進学のために島を離れる。東大塾を開催した背景には、農業生産の頭打ち、公共事業の減少など、島の経済の厳しい現状があり、「若者に自分の将来についてもっと考えて欲しい」との想いから島全体で約70万円を捻出。東大生に学ぶ機会を作った。
東大塾には、地元の中学生34人(沖縄本島の中学生9人含む)が参加。まず生徒の学力を確かめるため、数学のテストを行ったが、3年生の平均が41・6点と散々なものだった。東大生講師は「勉強を何に役立てたいのかイメージしよう」と語りかけた。数学を教える、丹羽健太さんは“平均点を70点に上げる”という目標を立て、基本的な問題の反復練習を行い、「計算問題は、何回も何回もやって身につく」と生徒に教えた。生徒たちは、成功体験を重ねることで少しずつ楽しさを感じ始め、自主的に勉強しようという雰囲気も生まれた。
東大塾最終日、実力テストで再び、数学の問題に挑み、平均点は、1週間前の2倍近く、78・5点という結果を出した。短期間だが、この夏のちょっとした刺激、出会いが変われるきっかけをつかめることを東大生講師は実感した。
伊平屋中3年の内間太一志さんは「分からないところを丁寧に最後まで教えてくれたので、勉強が楽しくなった。楽しい感想だけでなく、自分を変えたいと思いました」と感謝した。
県義務教育課は6月13日に実施した県学力調査の結果を発表した。中学生184校の2年生、1万2982人が調査実施の対象となったが、21市町別で壱岐市は国語56・9点で県内14位。項目別では「書くこと」が37・0点で最下位。数学も51・2点で14位。「資料の活用」が17・5点と最下位に沈んでいる。
壱岐の中学生は夏休みに“自分が変われるきっかけ”をつかんだだろうか。そういう教育も大切だと思う。

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