社説

積極的な会議の公開を

2018年に市自治基本条例が制定されて以降、その第18条2項に「市長等は、原則として附属機関等の会議を公開するとともに、会議録及び資料を公表するものとする」と定められたことで、以前よりも公開で行われる会議は多くなった。だが、いまだに非公開、開催通知なしの会議も数多くある。
個人情報保護などの目的で一部が非公開となるのは理解できるが、それなら個人情報に関する討議がある一部だけを非公開にすればいいことだ。逐条解説には会議の公開を「会議を公開することで自由な発言が損なわれるおそれがある場合などを除き」とあるが、公開されることで自由な発言ができないような委員がもしいるとしたら、委員を辞退すべきではないだろうか。
会議の議事録はほぼ公開されていない。市ホームページで公開されているのは市議会本会議だけで、その他の会議の議事録は「開示請求を行えば公開」ということなのだろうが、それは「公表」ではない。市議会本会議にしても公開までの期間があまりにも遅い。年末になって4~8月会議分がようやく公開されたが、12月会議が終了しているのに9月会議分が公開されていないのでは、市民ニーズにまったく応えていない。
公開されている会議でも、報道や傍聴者には資料を配布しないことがある。会議は資料を基に進められているので、資料なしで聞いていてもその内容はなかなか理解できないし、間違った理解をしてしまう場合もある。資料が配布されても、会議後に回収されることもある。その理由は「まだ決定された内容ではないため」と説明されるが、「決定」するために会議を行っているのだから、資料が決定事項でないことは当然のことであるはずだ。
県の会議も議事録公開は決して早くはないが、それでも多くの会議録がホームページ上で公開されている。「開かれた市政」とは行政がよく使う言葉だが、市側からもっと積極的な公開姿勢を見せなければ、その理想も絵に描いた餅だ。

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