第72回市学校保健研究協議大会(市学校保健会、市教委主催)がこのほど、壱岐の島ホールであり、小中学校関係者ら約130人が出席。両眼視スキルアップ研究所の中村尚広所長による特別講演と本市の学校薬剤師、本田具章さん(43)の研究発表があった。
本田さんは、一般医薬品の乱用(オーバードーズ)問題について話し、「80年代は遊びでの乱用が動機だったが、今は10代の子たちの『死にたい』や『消えたい』などの辛い気持ち、その逃避の中でのオーバードーズが増えてきている」と説明。「ここ数年、中高生の自殺者数が増えていて、児童虐待が年々増加している。その時代背景の中で生きづらさを感じている子どもたちが増えているのでは」と話した。
毎年小学校で開いている薬物乱用防止教室では、より効果的とされる参加型教育のグループワークを行うには時間が足りない現状を訴え、「学校でもやっていただけたら、もっと変わると思う」と協力を求めた。
大会では表彰もあり、健康推進校など12校を表彰。また、昨年10月に逝去した江田邦夫前会長の冥福を祈り全員で黙とうを奉げ、市学校保健会の品川敦彦会長が感謝状を贈呈し、江田小児科・内科医院の江田慶輔院長が受け取った。