1924年(大正12年)創業の重家酒造株式会社(横山太三代表取締役社長)は6月30日、創業百周年を記念した式典を郷ノ浦町のホテルで開き、横山社長は式典冒頭のあいさつで、脱二酸化炭素を実現するため、水素エネルギーを利用した酒造りを行うと表明した。
横山社長は「重家酒造が掲げる未来に繋ぐ継続的な酒造りをコンセプトに、次の二点を5年以内に確立していく」と述べ、「地球温暖化は酒造業界も影響を受け、高温障害で良質な米ができにくく酒造りに苦労している。また酒造りでも莫大な電気を使用するが壱岐は火力発電が主で二酸化炭素を放出している。少しでも削減し壱岐の島から次世代へ酒造りができるよう取り組む」とした。
もう一点は循環型農業の実現について述べ、「今年から本格的に一町七反(1・7㌶)程で、酒造好適米の『吟のさと』を壱岐の農家の方と共に栽培を始めている。この米で日本酒を製造して、その酒粕をもとに肥料や飼料として壱岐牛の餌にすることで良質な壱岐牛の開発や酒造好適米の肥料として活用していただき、循環型農業の仕組みを構築して一貫して米作りから酒造りまでをしていく」と述べた。
式典には取引関係者や来賓など約230人が出席。同社の商品に舌鼓を打ちながら歓談し、百周年の節目を祝った。
同社は、初代横山確蔵が日本酒蔵と焼酎蔵を創業。日本酒は一旦製造を休止するも平成30年に石田町池田西触に「横山蔵」を建設して28年ぶりに製造を再開。現在は焼酎、日本酒、クラフトジンを国内外に展開している。