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本市初の避難勧告発令 芦辺小など土砂崩れ11か所

活発な梅雨前線の影響で、12日から13日早朝にかけて九州北部地方は激しい雨に見舞われた。本市でも1時間雨量が最大46・5㍉を記録。土壌雨量指数が基準値を超えたことから13日午前7時57分に、土砂災害警戒情報に基づく避難勧告を勝本町全域と郷ノ浦町沼津地区の住民に対して発令した。壱岐市が避難勧告を発令したのは2004年の市制施行以来、初めてのことだった。市の設置した避難所4か所には、計7世帯10人が避難した。市内では土砂崩れ、道路法面・路肩崩落が20件起き、市道谷江本線が一時的に通行止めとなったが、現在は解消。人的な被害はなかった。
壱岐空港測候所の気象観測データで、12日の1日降水量は105・5㍉で観測史上7位を記録。12日午後8時から13日午前5時はやや治まったが、同5時過ぎから再び激しい降雨となり、午前6時過ぎから最大1時間雨量は史上7位の46・5㍉、10分間最大雨量は史上6位の15・5㍉を記録した。
12日からの積算雨量が185㍉となり、県砂防課の河川砂防情報システムで土壌雨量指数が基準値を超えた勝本町全域の2456世帯5687人と、郷ノ浦町沼津地区の413世帯965人の計2869世帯6652人に対して、市が避難所として設置した勝本町かざはや、勝本小学校、霞翆小学校、鯨伏小学校、沼津小学校への避難勧告(災害対策基本法に基づき、災害発生の恐れのある場合に市町村長が出す避難の勧め。さらに状況が切迫した場合などは「避難指示」になる)を行った。
避難所に避難したのは、かざはやが4世帯6人、勝本小が1世帯2人、鯨伏小が1世帯1人、沼津小が1世帯1人の計10人。避難所以外では渡良南公民館に2人が避難した。避難勧告は13日午前11時15分に解除された。
市危機管理課によると、この豪雨により起こった土砂災害は20件。郷ノ浦町東触のマルエーショッピングタウン郷ノ浦では、駐車場ののり面が高さ約5㍍、幅約5㍍にわたって、ため池に向かって崩れたのを、朝出勤した従業員が発見した。午前8時の開店前だったため、崩落した部分に駐車していた車両はなかった。
芦辺町大左右触の飲食店では、裏山の土砂崩れで屋外に設置してあったLPガスボンベが転倒しガス漏れを起こしたが、爆発などは起きなかった。
芦辺町芦辺浦の市立芦辺小学校(大石勝典校長、55人)では、校舎改築工事中の仮設校舎として使用している体育館裏ののり面が、幅3㍍にわたり崩落。体育館壁の床面に設置されたガラス窓2枚が割れ、土砂の一部が体育館に侵入しているのを、朝登校した教職員が発見した。
土砂が侵入したのは体育館の仮設音楽教室として使用している部分だったが、ガラス窓以外に被害はなく、侵入した土砂はすぐに撤去。崩れたのり面も14日までに撤去された。
市教育委員会は「体育館裏ののり面は高さ約3㍍のコンクリートブロックで補強されていたが、その上部が崩落した。当面の音楽授業は土砂侵入部分から場所を離して実施する。体育館を使用した理科、美術の授業は通常通り行っている。13日に県に対して災害復旧を要請しており、今後は土砂崩れの心配がないような補強工事を行う」とし、27日の市議会定例会7月会議で予算案を上程する。
建築確認申請の遅れのため延期されていた同校校舎改築工事(建築主体)の入札は、今回の土砂崩れの影響はなく、26日に入札が執行される予定となっている。
また長崎地方気象台は18日、九州北部地方の梅雨明けを発表した。平年より1日、昨年より11日早い梅雨明けとなった。梅雨入りを発表した6月4日から7月17日までの降水量合計(速報値)は、芦辺が554・0㍉(平年値481・6㍉)、石田が514・5㍉(同518・8㍉)だった。

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