壱岐イルカパーク&リゾート施設説明会が8日、同パークで開かれ、出席した市議会議員(出席13人)に対し、指定管理者・壱岐パークマネジメントの高田佳岳代表が水質・底質の成分分析結果、飼育・トレーニング方法、新規導入した3頭などに関して説明した。白川博一市長、眞鍋陽晃副市長も同席した。
同パークを巡っては、同社が指定管理となりリニューアルした2019年4月以降、7頭のイルカが死亡。今年だけでも3頭が死亡して、一時は飼育イルカが1頭だけになった。このままでは同パークの観光価値が大きく損なわれてしまうため、市議会定例会9月議会で3頭を追加購入(1頭はリース)する議案が上程され、原案通り可決したものの、議員からは「はっきりとした死因が不明のまま新たに導入しても、また同じことを繰り返すのではないか」「9月末で4人のトレーナーが退職し、残った2人だけで新たに導入される3頭の飼育・トレーニングに無理はないのか」など懸念する声が上がった。そのため市観光課と同社が理解を深めるためにこの日の説明会となった。
8月の水質調査、9月の海底汚泥調査の結果は、心配された重金属を含めほぼすべての項目で基準値を下回っており、目立った問題点はなかった。トレーナーは2人の新規採用があり計4人となり、リーダーの林菜穂子さんはメキシコのドルフィン・ディスカバリーで勤務した経験のある飼育歴21年のベテランで、他の3人のトレーナーもECO動物海洋専門学校卒業生、栄養士資格者であることなどが紹介された。
高田代表は「飼育エリアを外洋に近い湾口部に移動。水温が湾奥部と1℃程度違い、透明度、流れも良くなりゴミの漂着も少ない。1か所に有機物が溜まらないように網替え、いけすの位置変更、ポンプで海水の入れ替えをこまめに行っている。トレーニングはイルカの自主性を尊重している。エサの品質も鮮度を重視し、生きたままの魚を放して狩猟本能を目覚めさせる工夫もしている」などと対策について説明した。
これまでトレーニングを嫌がっていた最古参の「あずき」も、この日は市議の前でジャンプを披露するなど性格が前向きになってきた。新たに導入された3頭も順調にトレーニングメニューをこなしており、このまま進行すれば来年の観光シーズンには体験メニューも含めて、観光客が満足できるメニューを実施できそうだ。