自動車中古販売会社の不正が騒がれているが、その中でやや異質な話題になっているのが、店舗前の街路樹や植栽を除草剤の散布で枯らしていたとされる問題。木や草が茂ると道路から店舗の様子が見えにくくなるための措置だったというが、公共の植栽を許可なく枯らしたり、伐採したりするのは、何とも利己主義的な考え方だ。街に緑を増やすことは地球温暖化対策の意味もあり、複雑な保険金不正請求問題以上に、企業イメージを失墜させる行為だろう。
一方で、安全上の対策から街路樹や植栽をきちんと管理していくことも重要だ。その点でずっと気になっていたのが、市役所郷ノ浦庁舎駐車場の生垣だ。同庁舎の駐車場(1、2階部分)から車を出庫させようとすると、歩道部分の見通しが非常に悪い。出口の左側には公衆トイレの建物が歩道に面して設置されているし、右側は生垣になっている。ミラーは設置されているものの、道路の反対側と遠いため、歩道部分は見えにくい状況だ。
この歩道は盈科小学校の児童が多く利用している。同校でも交通安全の指導は徹底しているだろうが、低学年の児童らは走り回ったり、予期せぬ動きをするもので、運転者は出庫時に十分に注意はしていても、ヒヤッとすることも多いのではないだろうか。
帰宅時に児童が多く通る公衆トイレ側の改修は難しいが、生垣の一部を伐採するのは難しいことではない。片側だけでも見通しが良くなれば、事故のリスクは軽減できるはず。庁舎にも「緑」はあった方が良いものの、この場所に目隠しのような生垣を設置する必然性はあまり感じられない。交通事故防止のために、生垣の管理は必要ではないだろうか。