社説

情報公開嫌がる行政の不思議

行政はなぜ情報提供に消極的なのだろうか。2日に第2回イルカパーク管理・環境等検討審議会が開かれ、会議は公開されたものの、報道陣や傍聴した市議らに対して会議資料が配布されなかった。会議を開いた市企画振興部は、その理由について「検討委員会各委員の意見を個別にお聞きするという今回の会議の性質上、会議資料につきましても個別の各委員の意見となっており、公表について各委員の了承を受けていなかったため」とし、「各委員に公表についての可否の確認をしており、公表できる範囲について後日資料を送付する」と4日に委員名を匿名で一部を送付した。
これは極めておかしな論理で、公開された会議の中で各委員は自分の意見を発表している。その内容が書かれている資料が事前に用意されているのだから、公開に反対する委員がいるはずはないと思われる。会議での発言が公開されて困るなら、委員を引き受けなければ良いことだ。
傍聴者や報道陣にとってみれば、専門的な用語が多い内容であり、リモートで出席している委員の発言は聞き取りにくい部分も多く、会議を正しく理解するために、またその内容を新聞等で伝える際に間違いがあってはいけないので、資料は必要なものだ。
同様に資料が用意されていないまま、資料に沿って公開の会議が進められるケースが数多くある。他の会議では「資料にはまだ正式に決まっていない内容が含まれているため、誤解を招く恐れがあるため配布していない」と説明されたことがあるが、会議を開いて正式に決めるのだから、すべての会議において事前資料には未決定の内容が含まれるのは当然のこと。これもおかしな論理である。
へき地保育所閉所問題がここまでもつれてしまったのも、市の会議資料公開が不十分だったことが根底にあった。過去の会議内容や発表事項も、テキスト文書ならサーバーに負担をかけることもないのでホームページで常にすべてを閲覧できるようにすべきだ。

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