5月27~28日、県立大村高校理科部の生徒が小型の川魚「カワヨシノボリ」を調査するため来島し、市内の川を巡った。
来島したのは、同部の太田翔部長(3年)と市丸智規副部長(同)、顧問の緒方則彦教諭の3人。太田部長ら生徒は昨年11月に続いて2回目の調査となった。
カワヨシノボリはハゼ科の淡水魚。海に下ることがない「陸封型」で、特に離島などでは他の地域と自然に交じることはない。同じカワヨシノボリでも、表現型(形や模様などの特徴)の違いから少なくとも5つの「型」に分類されており、その一つは「壱岐佐賀型」という。
2人はこれまでの調査で、それまで不明型とされてきた五島にいるカワヨシノボリが、その特徴から新たに「五島型」であると考察。その研究成果は7月に鹿児島で開催される全国高校総合文化祭で発表することになっている。
2人は壱岐佐賀型の個体を調査するため来島。市内の生物を観察、記録している壱岐自然塾の永村春義代表(53)に案内を受けながら市内の河川数か所を巡った。
2日目に訪れた勝本町片山触の小川で、壱岐佐賀型と見られる個体を発見。昨年調査では発見に至らず、今回の調査が最後のチャンスだったことから、2人は安堵の表情を見せた。今後、他の型と比較するなどして、全国総文祭の発表に活用するという。
市丸副部長は「カワヨシの魅力を皆に知ってもらえるよう頑張りたい」と話した。