日本初の無垢製材現(あらわ)し木造4階建てビルとして郷ノ浦町片原触に建設中の「睦モクヨンビル」の現場施工見学会が20日にあり、市外の建築や林業関係者らが参加した。
午前と午後の2回あり、午前の部には18人が参加。建築設計事務所睦設計コンサルタントの松本隆之さん(47)が設計や建設の動機を説明した。
松本さんは、脱炭素社会を目指して木造建築を推進している。加工にエネルギーが必要な製品製材に比べ、一般的な無垢製材を使うことで、二酸化炭素の排出を抑えることができる。
また、木材を使うことで、森の循環を促し、二酸化炭素吸収率が高い若い木を植えることができ、森林の管理にもつながるという。
2019年に建築基準法が改正され、「耐火構造としなければならない木造建築物」の基準が緩和され、実現した。松本さんは将来的に教育の現場に活用する考えもある。
参加した福岡市の建築関係の専門学校の教務部、田川裕也さん(41)は「地域から盛り上げていこうということや、自然に対する取り組みを形にして、想いが感じられました」と話した。
ビルは来年1月の完成を目指している。