県教委は3月29日、「壱岐安国寺の中世文書(もんじょ)」(美術工芸品)を含む3件を県文化財に指定した。ほかの2件は「樋口橋」(佐世保市、建造物)と「紙本著色 永覚元賢像」(長崎市、美
術工芸品)。今回の指定で県指定文化財は合計394件となり、建造物は33件、美術工芸品は124件となった。
同文書は、室町時代から戦国時代までの11点で構成され、足利義満が僧の顕悦(けんえつ)を安国寺住持職に任命した公帖や15世紀中期の松浦党諸氏が分治していた当時の壱岐の状況を伝える文書な
どから構成される。「壱岐の安国寺や松浦党の様子を伝え、中世文書の乏しい壱岐の歴史をしる貴重な資料として学術的価値が高い」という。
今回の11点のうち3点は、昭和50年に指定されていた「安国寺什物」(10点)に含まれており、今回の指定に伴い、安国寺什物は「壱岐安国寺仏画及び仏具」(7点)へ名称が変更された。