ながさき農林業大賞(同運営委員会主催)の受賞者が9月22日に発表され、本市から知事賞(しまの農林業経営部門・トップファーマー)に勝本町の山本利夫さん、哲也さん、美萠子さん、江里さん家族が、運営委員会長賞(農産加工部門・げんきビレッジ)に芦辺町の農事組合法人壱岐ゆず生産組合(長嶋邦昭組合長、11人)が選ばれた。
山本さん家族は繁殖牛81頭、アスパラガス5・1㌃を経営している。肉用牛繁殖では、壱岐で初めて導入したミルメーカー(粉ミルク自動調製機)による省力化、人口哺乳管理による事故発生率の低減、自給飼料生産や納豆製造過程で発生する大豆の煮汁を使った飼料の活用によるコスト削減を図り、高能力母牛集団の構築により、高品質な子牛を生産している。
アスパラガスでは、有機肥料利用による土づくりと適正な立茎管理により、単収4㌧と県平均の2倍以上の高い収量をあげている。また自給飼料生産による遊休農地解消、猟友会のメンバーとして有害鳥獣狩猟、ハウスの修繕、設置作業、ボーリング工事の受託など地域活性化にも貢献している。
壱岐ゆず生産組合は昭和58年に前身の当田ゆず生産組合を設立し、ゆべしやユズ製品の商品化、加工製造を開始。平成26年に法人化した。同29年には1500万円の売り上げがあったという。
また、JA加工部会や直売所、スーパーなどと連携した商品開発、販路開拓に努め、加工商品数は現在10種類で、そのうち4種類が長崎四季畑の認証を得ている。市内の小、中学校の給食センターや病院等で商品名「ゆずの香」が調味料として利用されており、学童や地域住民の食材として親しみをもつ存在になり食育の推進に寄与。農産加工の発展と地域の伝統・食文化に貢献している。