市は24日、郷ノ浦町、八坂神社の宵のまつりに合わせ、境内にLEDキャンドル1500個を灯し、新型コロナウイルスの退散を祈願した。
市によると、江戸時代の1737年に壱岐で疫病が流行した際、八坂神社に疫病退散の祈願をしたところ疫病が収まり、このご利益に感謝して山笠を奉納したのが郷ノ浦祇園山笠の起源とされている。今年はコロナ感染防止のため山笠行事は中止となった。
夕暮れを前に午後5時頃にキャンドルが灯されると、境内に幻想的な光景が広がった。キャンドルを入れたカップには子ども山を担ぐ予定だった盈科小学校児童52人と郷ノ浦中学校生徒62人をはじめ、各流の関係者が書いた「コロナ退散」「医療介護の人に感謝」「来年はいつものように唄子太鼓が境内に鳴り響きますように」などの思いが込められ、参拝に訪れた市民や各流の担ぎ手らは、写真を撮るなど見入っていた。
下山流の辻川智啓さん(27)は「正直寂しいが、世界中で感染症が広がり、高齢者が多い壱岐では感染を防ぐためしょうがない。来年は今年できなかった分まで盛り上げたい」と話した。
準備した市観光課の市山恵さん(39)は「総代や元居の方々、各流の協力で実現できた。壱岐の人たちの不安が少しでも和らげば。しばらくしてこんな時期もあったと笑えればいいなと思う」と話した。