県建築士会はこのほど、第6回ながさき建築賞の受賞作品を発表。郷ノ浦港の観光案内所「壱岐観光サービス拠点施設」を設計した郷ノ浦町の睦設計コンサルタント(松本六男代表)が小規模建築部門奨励賞を受賞した。同社の受賞は第1回のながさき建築賞を受賞した「Laughtor Roof」(一般住宅)に続いて2度目。
同作品の表彰理由は「意匠、景観形成、地球環境保持などにおいて極めて高く評価される」と示された。
壱岐観光サービス拠点施設は、木のぬくもりを重視した無垢の木の木造と、前面が大きなガラス張りで明るさが強調された建物。デザインした松本隆之専務(45)は「壱岐に着いた旅行者が最初に立ち寄る施設なので、自然豊かな木の香りが感じられるように、しかも明るく清潔感のあふれる建物にしたかった。吹き抜けで、2階の窓などは開閉できるので、換気にも配慮されている」と話した。
平成30年4月の完成当時は新型コロナは存在しなかったが、まるで想定していたかのような換気システム、ソーシャルディスタンスを保つゆったりとした配置が整っている。ガラスは強化ガラスを採用しており、台風の強風でもまったく被害は出なかった。
松本さんは「郷ノ浦港は国交省から『みなとオアシス』の認定を受けた。港の景観は建築単体ではなく、周辺環境と一体化したランドスケープで成り立っている。この拠点施設だけでなく、郷ノ浦港全体を海や緑の自然を活かした島ならではの美しい景観にしてもらいたいと思う」と今後の一体的な郷ノ浦港再開発計画の推進に期待をかけている。
ながさき建築賞を受賞した壱岐観光サービス拠点施設