本市で地域おこし協力隊員として活動中の6隊員(梅田はつみ、山内裕介、島居英史、市原未湖、中村陽子、小林伸行さん)が6日、壱岐の島ホールで平成30年度活動報告会を行った。その活動内容を市民に知ってもらおうと、隊員自らが企画した。
山内さん(滞在型観光担当、29年11月就任)は湯本サンセットクルーズ、ゆる湯治(手軽にゆっくりできる湯治プラン)、島ゴル(ゴルフ&観光モデルコース)などの体験型プログラム、旅行商品開発に取り組んでいる。アマチュアゴルファーとして日本ジュニアに出場、インストラクターの資格を持つ経歴を活かし、ホームページ開設など壱岐カントリークラブ活性化に力を入れており「壱岐CCは9ホールしかないことが欠点だと言われてきたが、いまは18ホールの方がかえって敷居が高い。全国で9ホール化が進んでいるように、観光がてら気軽にゴルフを楽しんでもらえることが大きな武器になる。子ども向けプランや中級者へのレッスンなども取り組んでいく」と報告した。
梅田さん(滞在型観光担当、30年1月就任)はもう1泊してもらうためのプランとして、壱岐島砂浜会とともに砂浜さんぽ体験、流木アート、島ハーバリウム、寿司握り、鯛めし作り、船釣り、ビーチヨガなどに取り組む一方、情報発信や人脈づくりなども行っている。「協力隊のフェイスブックは、フォロワーが1276人から1580人に増えた。まだ対馬、上五島よりは少ないので、今年度は2千人を目標に情報を拡散していく。任期終了後は地域課題を解決できるような起業をして定住するための準備も進めていく」と話した。
島居さん(滞在型誘客促進担当、30年7月就任)は団体旅行の受け入れ業務、各種団体への営業などを行っている。「辰の島観光で使用していたアドベンチャー号を活用し、定置網漁見学と獲れた魚で昼食提供、陸上養殖したトラフグの食事提供、朝食食堂のかもめの朝ごはんで模擬せり市、対馬へのFDA(フジドリームエアラインズ)チャーター便客の壱岐への誘客などに取り組んでいる」と報告した。
市原さん(健康運動プランナー担当、30年7月就任)はヨガインストラクターをしていた経験を活かし、介護予防支援としてデイサービスでのチェアヨガ、GO郷カフェの手伝いなどを行っている。「イスを利用したチェアヨガは、ひざが痛い高齢者でも安心して行うことができ、健康寿命を延ばすことに役立っている。これまで41回の教室を行い、673人が受講した。サロン以外でもヨガができる環境を整備するため、5月19日に勝本・かざはやで体験イベントを実施するので、多くの人に参加してもらいたい。今年は健康運動指導士の資格取得を目指している」と話した。
中村さん(壱岐市ふるさと商社担当、30年8月就任)はふるさと商社で通信販売、物産展の出展、展示会・商談会への参加など壱岐産品の販路拡大に取り組んでいる。「全国チェーンのファミリーレストラン『家族亭』で壱岐フェアを実施してもらい、今年度も継続してもらえる。壱岐産品の知名度を高めることで、生産事業者を活性化し、雇用創出、島内経済活性化につなげていきたい。新たな商品開発にも取り組みたい」話した。
小林さん(企業研修等誘致担当、30年10月就任)はテレワークセンターを拠点に、富士ゼロックス時代から取り組んできた歩行ラリーによる企業研修、インターンシップの誘致を行っている。「歩行ラリーによる企業研修は28年には5社101人の利用があったが、その後は減少している。全国には企業研修をする場所は多くあるので、原の辻を活用することで、壱岐ならではの歴史、風土、環境を前面に押し出し、壱岐でやることの意義を強調したい。今年度はすでに企業研修3社60人、インターンシップ1組20人が利用し、6月には9社の利用が決定している。関係人口増加に取り組んでいく」と報告した。
白川博一市長は「6人が隊員となったきっかけは様々だが、それぞれ自分のミッションに懸命に取り組んでいる。移住者が急増していることは、協力隊の活躍が大きく寄与している。任期終了後は定住する気持ちを示してくれたこともありがたい」と話した。