八幡浦の盆の伝統行事「カズラ曳き」が13~15日、同浦であり、住民総出でカズラを曳き、先祖の御霊を供養した。
カズラの蔓を編みこんだ約10㍍の綱を同浦の通り約1㌔を曳く行事で、13、14日は先祖を西方浄土から迎えるために西から東に、15日は東から西を往復する。15日には住民約120人が参加し、軒先から住民が力水を浴びせ、「エンヤーマイト、ヤッサーモッサー」の独特の掛け声とともに約2時間かけて往復した。カズラが通る道では、盆で供えた位牌を置く御座や箸を燃やし、送り火を灯した。今年は同協議会が用意した提灯を初めて各家に飾り、盆行事の雰囲気を高めた。
例年、地元の青年部が中心に行ってきたが、団員の減少で今年はまちづくり協議会、青年団、消防団、浦会が協力して実施。新型コロナウイルスの影響で開催も危ぶまれたが、不要不急の集合を避けるなど対策を講じた。青年団長の岩井槙吾さん(25)は「幼い頃からやってきた行事で、ご先祖も帰ってくる。絶対にやりたかった。無事にできてよかった」と話した。