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イスズミ料理の誕生秘話。対馬・犬束さんが講演。

男女共同参画壱岐地域活動促進会議はこのほど、芦辺・つばさで講演会「自分らしい、生きかた、働きかた」を開き、講師に対馬・丸徳水産の犬束ゆかり専務(54)を招いた。

犬束さんは海藻を捕食する食害魚イスズミを総菜にして食べる磯焼け対策「そう介プロジェクト」に取り組み、考案したイスズミのメンチカツで、昨年は全国魚料理の祭典・第7回Fish‐1グランプリ「国産魚ファストフィッシュ商品コンテスト」でグランプリを受賞した。

犬束さんは「若い時から昼夜働いてきて、24歳で結婚・出産したが、子どもを預けて働くことが非難されていた30年前に、出産の5日前まで働いて、出産45日後からまた働き始めた。

その後も脱サラして素潜り漁師になった夫とともに子ども3人を抱えて、朝市での魚地方発送、スーパーの鮮魚店、魚料理店、惣菜店などやってきた。継続は力なりで、苦手だった魚の下ろしもできるようになったし、男性社会の中で信頼を得られるようになった」とこれまでの半生を振り返った。

数年前から夫と磯焼けのことで話をする機会が多くなり、食べる磯焼け対策を考案。「とげがないので、私でも下処理ができる。鮮魚店、加工業、飲食店で得た知識から、血合いを取り除くと臭いが消えることが判り、いろいろな料理を試してみた。女人禁制とも言われていた漁協組合長会でも試食会をやったり、県水産課にもサンプルを持って乗り込んだ」と持ち前のパワーで道を切り開き、イスズミの商品化に成功した。

犬束さんは「イスズミは1㌔100円で買い取っている。歩留まりが20%と低いが、揚げてない卸は1個70円、揚げた小売りは5個580円で販売し、利益はそう介プロジェクトに使っている。海の恵みで3人の子どもを育てることができたのだから、海に恩返しをしないといけない」と今後も食べる磯焼け対策やプラごみ削減、海を汚さない石鹸など環境問題にも取り組んでいく考えを語った。

講演後は参加者150人が犬束さんのイスズミメンチカツを試食。「臭みがまったくない」「こんなに美味しいとは思わなかった」「ぜひ壱岐でも広めたい」など絶賛する声が相次いだ。

イスズミを使ったメンチカツ

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