第16回壱岐市長旗争奪玄界灘親善少年軟式野球大会の決勝、3位決定戦が11月30日、芦辺ふれあいグラウンドで行われ、盈科少年軟式野球クラブと霞翠少年野球クラブの島内勢同士の対戦となった決勝戦は、霞翠が3‐2で逆転勝ちし、大会初優勝。島外14チームを含む出場21チームの頂点に立ち、2006年勝本、09年那賀、13年石田に続き6年ぶり4度目の地元チーム優勝を飾った。福岡三苫ヤンキースと七隈少年野球クラブの福岡勢対決となった3位決定戦は、昨年優勝の三苫が3‐1で3位となった。
地元同士の決勝戦に、芦辺ふれあいグラウンドには多くの観客が詰めかけた。太鼓を使った熱烈な応援に最初に応えたのは盈科の打撃陣。1回表1死から立石雅人(6年)が中越え二塁打で出塁すると、浦上脩吾(6年)が左前適時打で先制。浦上が盗塁を決めて2死二塁から、長岡希音(6年)のショートゴロが相手エラーを生んで2点目を入れた。
霞翠にとってこの大会で1試合2失点は初めて。しかも1回表の失点は精神的に重くのしかかり、1回裏攻撃は2三振。2回裏は1死一塁からライトゴロがダブルプレーとなる不運も重なった。3回表に先発・岩本篤弥(6年)が先頭打者に安打を許すと、岩本圭助監督は早くもバッテリーを入れ替えて、リリーフに日高陵真(6年)を送った。
「岩本のストレートが盈科打線のスイングで合ってしまっていた」(岩本監督)と判断した積極的な継投策が、ゲームの流れを変えた。日高は緩急織り交ぜたピッチングで後続を抑えると、霞翠は3回裏2死二塁から岩本が中前適時打で1点を返す。さらに4回裏はスクイズを外され、スリーバント失敗などもありながら、米倉壱成(6年)と大野泰生(6年)の中前適時打など4安打を集中させて2点を奪い、逆転に成功した。日高は5回から7回もランナーを許しながら、ピンチでも落ち着いたピッチングを続け0封。1点差を守り切り、チームに初優勝をもたらした。
岩本監督は「今年の大会では盈科にずっと勝てないでいたが、最後の大きな舞台で勝つことができた。2回戦で平尾、準々決勝で志免、準決勝で三苫と福岡の強豪チームを相手に競り勝ってきたことで、選手たちが自信をつけていた。決勝で120%の力を発揮することができた」と選手たちを称えた。岩本キャプテンは「初回に2点を失ったが、みんながあきらめない気持ちを強く持っていたので逆転できた。3回のタイムリーはジャストミートだったので気持ちが良かったし、キャプテンとしてチームに勢いをつけられたと思う」と優勝を喜んだ。