社説

航空路維持はまだ安心できない。

壱岐市からの知事要望、県中学駅伝と2週続けて長崎本土に取材に出向いた。知事要望は県庁で午前11時から、中学駅伝は諫早で午前10時50分のスタートで、ともにORCの第1便に搭乗すれば間に合う時間帯のため、前泊しなくても済んだ。壱岐が長崎県とのつながりを感じられるのは、この航空路線があるからだと強く感じる。

運賃だけを考えても、国境離島島民割引があるので往復1万円となり、ジェットフォイル~JR特急での福岡経由と比べてほぼ変わらない。往路はともに満席だったので、早めの予約をしていて良かった。ORCに搭乗すると、客室乗務員のおもてなしに感激する。丁寧な対応や笑顔はもちろん、忙しい中、手作りの観光ガイドブックの配布などの心遣いも嬉しい。やはり航空機のきめ細かな顧客サービスは観光振興にも重要で、壱岐に航空路線は不可欠だ。

知事要望で最重要項目として取り上げたのは、航空路維持のための壱岐空港滑走路延長に関してだった。4年連続の要望だが、今年も中村法道知事の回答は「巨額な予算が必要で、現時点では調査費の予算化も考えられない」などと厳しいものだった。後継機としてATR社製の航空機を導入すれば、現在の壱岐空港滑走路でも離発着できることを県は強調したが、本当に導入が可能なのだろうか。

ORCなど九州離島航路を運航する3社とJAL、ANAが協業組織を設立し、機材の統一へ向けた準備を進めている。話し合いが進めば、理論的にはJAL系列が導入しているATR機の導入も可能かもしれないが、現在運航しているボンバルディア機とはパイロットも整備士も違う資格が必要になる。資格の新規取得には最低でも3年は必要とされており、パイロット、整備士養成が機体更新時期までに間に合うのか。経営が厳しい中、各空港に整備士を配置できるのだろうか。

ATR機導入が検討されても、壱岐空港の航空路維持は、まだまだ安心ができない。

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