10連休が終わり、令和時代が本格的にスタートする。本市がこの令和元年に最も力を入れている政策は「まちづくり協議会」の設置だ。人口減少、少子高齢化、生活スタイルや価値観の多様化など社会状況の変化により、行政だけでは地域課題の解消が難しくなってきている。小学校区単位で協議会を設立し、既存の自治公民館、消防団、青年会、婦人会、老人会、PTAなどがお互いに協力し、誰一人取り残すことがないまちづくりのために地域課題の解決を図ることが目的となる。今後は市が各小学校区で協議会設立までの準備などについて説明していく。
市行政区設置検討委員会(長岡信一会長)は4月27日に第3回委員会を開き、集落支援員設置要綱、市地域協議会設置要綱などの詳細を決めた。集落支援員は各まちづくり協議会の活動を実質的に主導する事務局長の役割で、地域の巡回、課題の分析などを、主に月~金曜に常勤で行う。市の嘱託職員として月額18万円の報酬、社会保険、活動費など年間350万円以内の委託料の範囲で活動を行うが、この委託料は全額、国の特別交付税で措置される。集落支援員は各まちづくり協議会の会長が推薦し、市長が選任して委嘱する。任期は1年で再任ができる。市地域協議会は眞鍋陽晃副市長が会長を務め、市、各まちづくり協議会代表者、各集落支援員で組織し、まちづくり協議会同士の連携などを進める。
市は本年度当初予算に、まちづくり協議会設置に向けたモデル6校区の運営交付金、集落支援員委託費、準備委員会補助金の約4678万円を盛り込んだが、協議会設立の準備ができれば補正予算を組み、今年度中に全18校区での設置を目指している。各協議会に対しての交付金は、基礎額の50万円と区域の人口1人あたり千円。また、草刈り、清掃、登下校・地域見守り活動、防犯カメラ・夜間点灯ライト設置などの地域保全型活動に固定額で30万円、地域活性化型活動(交流イベント、健康増進イベント、予防講座開講など)が1事業につき15万円加算される。その他、市長が必要と認める取り組みにも支給される。
これまで自治公民館、地区公民館で行ってきた事業が、人手不足などが原因で実施できなくなった場合も、協議会に移行して行うことができる。また、これまで「まちづくり市民力事業」で実施してきた事業も移行される。市は設立のためのハンドブックを制作し、各校区の地域担当職員とともに、各校区での説明会を順次実施しており、広報いき6月号でもまちづくり協議会の概要、設立の仕方などを説明していく。
担当する市総務部SDGs未来課は「設立には地域の各種団体などからメンバーを募り、幹事会(10人程度)、準備委員会(30~40人程度)を設置して、地域住民アンケートやワークショップで地域の課題などを洗い出し、まちづくり計画をまとめていくことになるが、中でも重要になるのが、実際に中心となって活動する集落支援員の選任になるのではないか。大変な役割だが、地域担当職員を中心に市も全面的に協力するので、ぜひ地域課題解決のために協力してもらいたい」と話した。