社説

20歳の成人式を続けては。

市議会12月会議の一般質問で市山繁議員が、民法改正により18歳成人となる2022年度成人式(23年1月実施予定)について質問した。18、19、20歳の3世代同時の成人式となると壱岐の島ホールでは狭く、また18歳にとっては大学受験や就職準備で忙しい時期で出席が難しいのではないか、といった趣旨だった。これに対して久保田良和教育長は「3世代合わせても成人者は770人程度であり、1000席の壱岐の島ホールで収容できる。3世代が集まった成人式は一生の思い出になるのではないか」と同時開催に前向きな答弁を行った。

多くの自治体が同様の開催を考えているようだが、離島である壱岐市は独自の方法を模索した方が良いのではないだろうか。まずレンタルの晴れ着が圧倒的に不足する。成人式は全国的にほぼ同時期に開催されるので、福岡などの業者から借りることも難しい。もし借りられたとしても、着付けやヘアセットを行う美容室がとても手が回らないことは容易に想像できる。

市山議員、久保田教育長は「高校生は学生服でいいのではないか」と発言したが、男性はともかくとして、女性にとっては晴れの式を学生服で迎えることはあまりにも寂しいことだろう。23年以降の18歳成人式もすべて学生服で行うならば「何故、私たちの世代だけ晴れ着ではないのか」との差別感はなくなるが、それでは高校の卒業式とほとんど変わらないイベントになってしまう。壱岐市にとって20歳で成人式を行うことは、島外へ進学、就職した人たちが2年ぶりに故郷に戻ってくる重要なイベントであり、単に交流人口に影響を与えるだけでなく、久しぶりに故郷の空気や情報に接して、将来のUターンを考えるきっかけにもなるはずだ。

成人式の実施について、国は平成31年度末までに一定の指針を示すとされているが、壱岐市はあくまでも「20歳の成人式」を実施し続けていくことも、一つの選択肢ではないだろうか。

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