コロナの5類移行後初の大型連休となったGWは、10連休となった企業もあった令和元年の水準には及ばなかったものの、県内の観光客数は昨年を大きく上回り、コロナ禍の影響はほぼ払拭された。壱岐市内の数字はまだまとめられていないが、市内観光地では多くの観光客の姿を見かけた。
一方で、離島ならではの観光の難しさも感じられた。天候が悪化した5日夕方には暴風警報、雷注意報が発令。暴風警報は6日早朝に強風注意報に切り替わったため航路への影響はなかったものの、もう少し時間がずれていたら連休最終日の航路が欠航になる恐れがあった。しかも6日はジェットフォイル1隻が機関故障のため欠航便があった。故障はすぐに復旧したものの、旅行客の足は乱れたことだろう。
15年ぶりに本市で開かれた全日本学童軟式野球選手権県大会は、4月29日に準決勝、決勝が行われる予定だったが、悪天候のため5月3日に順延された。ベスト4に残っていたのはいずれも本土チームで、再度の来島は時間的にも経済的にも負担になったことが考えられる。屋外競技に雨天順延は付き物だが、関係者が離島開催のリスクを今後どう考えるのかは、心配な点でもある。
ジェットフォイルの故障は船体の老朽化も原因で、新造船が導入できれば解消される部分もあるが、計画が順調に進んでも導入はまだ数年先になる。悪天候による欠航や競技順延は、架橋やドーム球場でもない限り、人力ではどうにもできない。離島が抱える宿命だ。
団体旅行の場合は旅行会社が素早く情報収集をし、便の変更や宿泊手配などをしてくれるが、個人旅行客は途方に暮れることが多い。特に船便は、出発の1時間前にならなければ欠航が判明せず、福岡からの航空便のキャンセル・予定変更は手間も金銭的にも大きな負担になる。
市観光課や観光連盟が、24時間体制とは言わないまでも、休日でも欠航に際しての個人旅行客の相談・対応窓口になることを検討してはどうだろうか。