社説

壱岐の宣伝部長の手腕に期待。

8月26日に東京で開かれた明治「キシリッシュ」のイベントに、白川博一市長が人気絶頂の芸人・メイプル超合金の2人とともにステージに登壇した。
キシリッシュのキャッチフレーズが「イキ(息)がいい」であるため、語呂合わせで「壱岐がいい」をPRする白川市長にイベント出演の白羽の矢が立った。3人は「イキキイキキイキキー」の掛け声とともにひょうきんなポーズを決め、カズレーザーからはいじられ、その様子はテレビのワイドショーで紹介された。
その姿に、一部市民の中には眉をひそめる人もいたと聞くが、私はまったく逆だと考えている。
2007年1月に、タレントから宮崎県知事に就任した東国原英夫さんは、自らを「宮崎県の宣伝部長」と位置付けて、その就任から1年間の直接的な経済効果は、マンゴーの売上増17億円、観光客増加に伴う県内消費額増が183億円など、計492億円。テレビなどの露出による間接的な広告宣伝効果は1822億円という試算も出されている。知事としての政治的な手腕や醜聞に問題はあったとしても、宮崎県のPRに関しては輝かしい実績を上げたことは間違いない。
いまは鳥取県の平井伸治知事が「鳥取にはスタバはないけど、日本一のスナバがある」などのダジャレや、小道具を使ったカニのPRで盛んにメディアに露出している。
2人の共通点は「地方自治体の限られた財源の中で、最小限の費用で最大限の効果を発揮したい」という意識。宮崎、鳥取はともに人口減少、高齢化の状況が厳しく、何かをしなければ地方崩壊が際限なく進んでいくという危機感からの行動だ。
壱岐の状況はさらに厳しい。何か新しいことをやろうとすると必ず反対の声を上げる人たちがいるが、たとえ失敗があったとしても、挑戦し続けなければ消滅の危機に瀕することになりかねない。利用できるものは何でも利用する精神で、白川市長にはさらに「宣伝部長」として弾けてもらいたい。

関連記事

  1. 社説・国境離島新法は市民提案が不可欠
  2. 社説・心ないヤジは止めて欲しい
  3. シャッター通りを活性化するには。
  4. 歴史を学ぶ、郷土学習の必要性
  5. 全員協議会を原則公開に。
  6. 社説・エイドステーションに充電設備を
  7. 社説・カジノ法案めぐる論争に違和感
  8. まず「真似」から始めよう

おすすめ記事

  1. 新作1点を追加 一支国博物館「ボクネン展」
  2. 理解を求めるなら平易な言葉で
  3. フォロワー倍増 壱岐ファン増に貢献 地域おこし協力隊 髙田、田口両隊員が報告会

歴史・自然

PAGE TOP