5年に1度の「和牛のオリンピック」、第11回全国和牛能力共進会(全共、公益社団法人全国和牛登録協会主催)が7~11日、宮城県仙台市の夢メッセみやぎ、中央卸売市場食肉市場で開催され、39道府県から過去最多の513頭(種牛の部330頭、肉牛の部183頭)が出品され、肉付きや毛並みの良さ、肉質の良さを競った。前回大会(2012年・長崎)で肉牛の部(第8区)日本一となった本県代表牛は、今回は11席で連続日本一を逃した。また種牛・肉牛の総合評価で決める第7区(前回3席)も4席に終わり巻き返しはならなかったが、同区肉牛群では郷ノ浦町・株式会社野元牧場肥育の「平国金太」が極めて高い評価を得て、壱岐牛の優秀さを全国に知らしめた。
第7区総合評価群は、種牛能力と産肉能力を総合評価する出品区で、地域の改良の中核を担う同一種雄牛の産子を種牛群4頭と肉牛群3頭を合わせて1群として出品。全共のメーンイベントに位置付けられている。その7区の本県出品対象種雄牛は、本市勝本町生産の「金太郎3」が選ばれた。種牛群の4頭は県支部県北支所から出品され、順位は6位だった。
肉牛群の3頭のうち1頭は本市の野元牧場(郷ノ浦町)の肥育牛「平国金太」(父・金太郎3、2代祖・平茂晴、3代祖・第1花国)。同牛は、肉牛群出品の48頭中、バラの厚さ11・0㌢で最高値を記録するなど各項目で高得点を得て、BMS(牛脂肪交雑基準)で最高評価の12を得た。12は全48頭中4頭しか得られなかった。同群の他の県代表牛のBMSも10、11と高く、同群で長崎県は広島県に続く2位となり、さらに「交雑脂肪の形状賞」という特別賞も受賞した。
第7区全体の総合評価は4席で、前回大会の3席には及ばず、1席宮崎(種牛2位、肉牛3位)の3連覇を阻止できなかったが、肉牛群では同県を上回る結果を出したことで、種雄牛「金太郎3」、そして壱岐牛全体の全国的な知名度アップに大きく貢献した。また種牛の部第3区(若雌の2)に出品した勝本・山石吉彦さん肥育の「かねはる」(父・金太郎3)、肉牛の部第9区に出品したJA壱岐市肥育センター肥育の「花北福」(父・北福平)はともに優等賞は逃したが、1等賞に選出された。
宮城に応援に駆け付けた白川博一市長は「第7区は、総合成績は4位だったが、肉牛群で高い評価を受けた。特に野元さんの牛は素晴らしい評価だった。優勝こそできなかったが、金太郎3が全国トップクラスで通用すること、壱岐産牛の素晴らしさを改めて証明する結果となり、さらに自信を持つことができた」と県代表牛の健闘を称えた。
=全共各部門成績=
【名誉賞】▽種牛の部=第4区大分▽肉牛の部=第8区宮崎
【各区1席と本県席次】▽第1区(若雌)①鹿児島⑬長崎▽第2区(若雌の1)①宮城、1等賞長崎▽第3区(若雌の2)①鹿児島、1等賞長崎・山石吉彦▽第4区(系統雌牛群)①大分⑥長崎▽第5区(繁殖雌牛群)①宮崎⑩長崎▽第6区(高等登録群)①鹿児島⑥長崎▽第7区(総合評価群)①宮崎(種牛2位、肉牛3位)④長崎(種牛6位、肉牛2位)▽第8区(若雄後代検定牛群)①宮崎⑪長崎▽第9区(去勢肥育牛)①鹿児島、1等賞長崎・JA壱岐市肥育センタ
【団体表彰】①鹿児島②宮崎③大分
◆前回大会概要 2012年に地元・長崎で開催。長崎は肉牛の部第8区で1席、名誉賞を獲得して、初の和牛日本一に輝いた。勝乃勝の産子で臨んだ第7区は3席だった。本市からは計6頭が出品され、第3区が11席、第5区(4頭セット)が7席、第9区が19席で、いずれも優等賞を獲得した。