社説

フェリー港の集約化を。

市議会一般質問で、郷ノ浦港フェリーターミナル駐車場について2議員が質問した。確かに週末は満車で駐車スペースを探すのに苦労することが多いし、壱岐の玄関口であるフェリーターミナルは、観光面でも整備の必要性を感じる。だがそれ以前に、フェリー発着港はいまのままで良いのだろうか。

壱岐のような小さな離島に郷ノ浦、芦辺、石田と3つのフェリーターミナルがあること自体が、移住者から見るといまだに不思議に思える。観光で壱岐を訪れた人もさぞ戸惑うことだろう。島民が自家用車でターミナルへ行った場合、帰りも同じ港に到着する便を選ばなければ、到着港から自力での交通手段がないため、時間に拘束される。もし郷ノ浦港に駐車して、帰りに博多発午後8時35分のフェリーを逃すと、芦辺着の深夜便で到着しても郷ノ浦港までのバスはなく、タクシーですら事前に予約してなければ見当たらない。深夜2時過ぎに知り合いを起こすわけにもいかず、どうしようもない事態に陥ってしまう。

港が複数あることで、強風の影響による欠航をいくらかは防ぐことができるメリットはあるが、港の各種設備、ターミナルの窓口や売店、九州郵船職員の無駄など、デメリットな部分も多く目に付く。ターミナルを集約できれば、壱岐の玄関口にふさわしい建物、駐車場の整備がしやすくなるはずだ。

将来を見据えた場合、壱岐は観光を産業の中核に置かなければならない。市は今後、団体客よりも個人客をターゲットにした旅行商品販売に力を入れていく方向性を示しているが、個人旅行客が芦辺と郷ノ浦の地図上の違いをすぐに理解できるはずもなく、トラブルが起きる可能性も大きい。3港を1か所に集約するとなると、おそらく地元にフェリー港がなくなる地区から猛反対の声が上がるだろうが、人口減少が続き、このままだと消滅自治体になる可能性すらある壱岐市の現状を考えれば、地区同士で綱引きをしている場合ではない。

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