市テレワークセンターが今月末に仮オープンする。離島のハンデを感じにくい新たな仕事の形を、本市に定着させる大きなチャンスとなる。ウェブライターの仕事は、専門知識をそれほど必要としないため、主婦らの関心も高い。クラウドソーシングで受注できる仕事も多く紹介されている。
だが気を付けなければならないのは、そうした仕事には違法スレスレなものもあるということ。話題になったキュレーションサイト(まとめサイト)がその典型だろう。
まとめサイトのライターもクラウドソーシングで募集されている。大手の撤退で一時期よりは減少しているものの、いまでも募集は続いている。仕事の紹介欄には「自分で文章を考える必要はありません。書き方は指導しますので、誰にでもできます」などと書かれているが、おそらくそれはネット上の記事をコピー&ペースト(コピペ)する仕事だと考えられる。発注主でもできる作業を、違法性も疑われるため、敢えてこのような形でライター募集しているのかもしれない。
ネットや新聞の記事などは著作権法で守られている。一部は「引用」が認められているが、文化庁は引用について「かぎかっこをつけるなど、自分の著作物と引用部分とが区別されていること」「自分の著作物が主体であること」「出所の明示がなされていること」など厳しく定めている。これが守られていない原稿は「盗作」の疑いがあることになる。
まとめサイトは、文章の前後を入れ替えたり、いくつかの文章を融合して、著作権法に抵触しないような工夫をしているケースが見られるが、もし訴えられれば無罪という保証はできない手法だ。
ライターの仕事に「おいしい話」はまずない。「誰も気が付かないだろう」などと安易な気持ちで他人の原稿をコピペしていたら、いずれ大変な事態を招きかねない。壱岐でウェブライターを目指す人たちには、取材を重視したオリジナルの記事を書いてもらいたい。