4人の市地域おこし協力隊員によるご当地グルメ発掘のための試食会「海料理・陸(おか)料理大集合!」が18日、芦辺町八幡浦地区生活館で行われ、50人が試食を行い、アンケートに回答した。
料理のテーマは「古代のルート『八幡浦』と『原の辻』をつなぐ」。八幡地区の内海湾は一支国と大陸を往来する古代船が停泊した場所だと言われており、一支国の王都だった原の辻には日本最古の船着き場跡が発見されている。古代人は内海湾で小船に乗り換えて、幡鉾川を上り原の辻へ向かったと考えられている。この2地区の結び付きを料理を通して確かめ、古代人の生活を想像するのが目的の一つになっている。
用意されたのは、古くから伝わる八幡浦の海女料理5品、海女見習いの協力隊員・合口香菜さん(29)と壱岐東部漁協直販店で商品開発に携わる松本千加さん(23)が考案した8品、農業組合法人原の辻で勤務する隊員・堀田九三男さん(56)が開発した加工品4品に加え、市観光連盟で勤務する隊員・徳永満智子さん(49)の「イカスミ古代米パエリア」、二宮レイ子さん(33)の「海の森の塩」、一支国研究会の「黒米おはぎ」の計20品に及んだ。
合口さんは「漁師には迷惑がられている海藻のアカモク、価格が安くて漁師を困らせているヤズなどを使って、いろいろな料理を考えてみました。松本さんと協力して、年内をめどに商品化にこぎつけたいですね」と昆布とヤズを使ったカリントウやフリカケ、アカモクの佃煮などをPRした。
堀田さんは「古代米は白米に比べてたんぱく質やミネラルが多く含まれていて、健康食品としても注目を集めています。にんにくは熟成させて黒にんにくにすることで、独特のにおいを除去できます」と、古代米の甘酒や蜂蜜漬け黒にんにくで、健康増進の効果を狙った。
徳永さんは「壱岐ではイカスミを捨ててしまうことが多いと聞き、もったいないと思いこの料理を考案しました」、二宮さんは「昆布といりこで旨みを倍増した塩を作ってみました」とそれぞれのアイデアを披露した。
試食した山下三郎副市長は「どれもアイデアにあふれている。イカスミ古代米パエリアは都市部の女性層に人気を集めるのではないか。昆布と煮干の塩、かりんとうも観光客から注目を集めそうな加工品だ。ぜひこの中から壱岐をPRする産品が生まれて欲しい」と絶賛した。
今後は試食アンケートをもとに改良を加え商品化し、東部漁協直販店や農業組合法人原の辻での販売や、市観光連盟ホームページでの宣伝活動を行っていく。
▽海女さん料理 うにご飯、さんまご飯、イカのぐれ(すみ)和え、うに入り卵焼き、アワビの煮付け
▽東部漁協の加工品 アカモクの三杯酢、アカモクの佃煮、ヤズのふりかけもどき、昆布とヤズのソフトふりかけ、昆布とヤズのかりんとう、昆布クッキー
▽農業法人原の辻の加工品 たまねぎドレッシング、蜂蜜漬け黒にんにく、古代米の甘酒、みたらし団子