7月1日は「壱岐焼酎の日」で、市内、福岡市で乾杯イベントが実施された。平成7年にWTOで「壱岐焼酎」に地理的表示が日本で初めて認められて以降、「壱岐」と言えば「焼酎」が連想されるほど、知名度が高まっている。壱岐焼酎は「壱岐の顔」的な存在で、今後の地方創生にも欠かせないアイテムになっている。
国内酒類販売は平成8年をピークに、20年まで減少を続けたが、その後はほぼ横ばい。酒類の消費数量構成比率で焼酎は元年に5・8%だったものが15年には10%を突破、焼酎ブームが起こった20年に11・4%と最大になり、22年以後は10%台後半で推移している。
焼酎のうち壱岐焼酎などの乙類(本格焼酎)と甲類焼酎との比較は、平成14年までは甲類が55%前後を占めていたが、健康面やグルメ志向で本格焼酎が見直されてきた15年に拮抗、16年からは乙類が上回り、近年は乙類55%、甲類45%程度となっている。
それでも乙類焼酎の消費数量は平成19年の54万キロリットルをピークに、24年は48万1千㌔㍑だった。やや頭打ちの状況に見える。
23年度酒類の業態別販売数量比率は、一般酒販店が16・5%で21年に比べ2・6ポイント減少しているのに対し、スーパーマーケット(35・9%)、量販店(14・9%)、ホームセンター・ドラッグストア(6・7%)が増加している。
本格焼酎ブームは定着していると見られているが、価格競争にさらされる大型小売店での販売が増えていることが、高い品質にこだわりを持ち、また輸送費用で不利がある壱岐焼酎にとっては厳しい状況を招いている。
グルメブーム、健康志向は続いており、添加物が使用されておらず糖質・プリン体ゼロの本格焼酎は、消費が拡大される要素を十分に持っている。それだけに今後、壱岐焼酎の消費を拡大していくためには、組織的な戦略が必要になってくる。市内、博多港に焼酎スタンドバーを設置するなど、市と市内7蔵が打つ、乾杯条例に続く次の一手が重要になる。