新市庁舎建設問題が大詰めを迎えてる。「建設の是非は今年中に判断する」と市は期限を明示しており、早ければ次回、4日に開催される庁舎建設検討特別委員会の席上で、議会の賛否を問うことになる。
建設候補地を示す前に議会に判断を求めることに対して様々な意見はあるが、市民の代表である議員が了承しているのであれば、議会に任せるしかない。それが議会制民主主義である。
もし建設することになったら、「生産性」のある庁舎を望みたい。9月議会の一般質問で鵜瀬議員が「庁舎と文化・商業施設とのリンク」について質問したが、市長は「いまのところ考えていない」と答弁した。だが市役所を単なる庁舎としてだけで使用したら、その生産性はゼロである。
新庁舎は壱岐の中心、顔、玄関口として活用するべきだ。観光客は港、空港からまず市役所を訪れ、様々な観光情報の提供を求める。いまのところ計画がとん挫している「島の駅」併設して、壱岐ならではの食事・土産品を網羅する。物産館建設は合併特例債の対象となる。
市民の憩いの場であることも求められる。繁盛している「道の駅」は、観光客だけでなく、地元民も買い物、食事に訪れて賑わっているものだ。地元民でも「安い」「新鮮」と感じる品揃えにしなければならない。
図書館も、武雄市のような多くの市民が訪れるものを併設するべきだし、大手コーヒーチェーンやファストフード店の誘致も人が集まる施設ならば実現できる。各種競技の公式戦が開催できる規模の体育館や、市民が利用できるプール・温泉施設、銀行ATM、屋上ヘリポートなどがあれば、なお便利だ。太陽光蓄電システムやIP電話導入による経費削減は言うまでもない。
庁舎建設については、各地で市民ニーズに応える複合施設化の要望が検討、実現されている。ぜひ全国各地の優れた市役所を参考にして、最新鋭で生産性のある市役所を作ってもらいたい。それならば市民の反対も少ないはずだ。