社説

社説・いまこそ戦略的な観光計画を

1面記事で紹介したように、今夏の県内宿泊に3千円のクーポン券が利用できることになった。1泊2食7千円の旅館に宿泊すれば、支払額は4千円。8~10月は燃油サーチャージが無料となるので、フェリー2等料金は博多から往復3960円。しまとく通貨1万2千円分を1万円で購入すれば、約4千円分を昼食や土産購入に使用できる。福岡から1万円で壱岐1泊旅行が楽しめるのなら、「行ってみよう」と考える福岡県民も多いはずだ。航空機の早割チケットやLCCを利用すれば、首都圏からでもパック旅行より安い旅行が企画できる。壱岐市にとってこれほどの観光客誘致のチャンスは2度とないかもしれない。割安感を徹底的なアピールすべきだ。
その旅行者にリピーターとなってもらい、知り合いに宣伝してもらうためには、壱岐だけのオンリーワンを作ることが肝心だ。市創生会議や第2期観光振興計画策定会議で観念的なことは話し合われたが、もっと具体的な、ピンポイントの観光振興策が必要だ。たった1つの名物が、その観光地を大きく変えた例は数多くある。
筒城浜のビーチは美しいが、沖縄にはもっと美しいビーチが数多くある。ウニ、壱岐牛は確かに素晴らしいが、首都圏でも2~3割増しの価格で食べることはできる。これだけでは感動を与えるオンリーワンにはならない。
旅行好きで全国を回った経験がある筆者が、壱岐でもっとも感動した観光地は小島神社と辰ノ島だが、ドラマチックな小島神社は周辺の整備がまったくなされていない。これではせっかくの感動が半減する。辰ノ島は手付かずの無人島が魅力でも、やはりリゾートらしいメニューのあるレストハウスは欲しい。
食べ物ではとてつもない魚の安さだ。全国のどこにもないメガ盛りのヤズやヒラスの海鮮丼に、これまた安いショウガでガリを大量に付け合せて1500円程度で提供すれば、夏場で脂がのっていなくても、旅行者は感動する。少しの工夫でオンリーワンはできる。万全の準備で旅行客を迎えてもらいたい。

 

関連記事

  1. 歴史を学ぶ、郷土学習の必要性
  2. 社説 会議の非公開は逆効果
  3. 意味不明な庁舎建設アンケート
  4. クルーズ客船と神社仏閣
  5. 移住促進に意識改革を。
  6. 「よそ者」はマーケット感覚がある人
  7. 1人の意欲でも役所は変わる
  8. 日本一目指すための補助を

おすすめ記事

  1. 市議会の配信を再度見直しては
  2. オーガニックで社会課題解決へ 経営者が脱炭素の取り組み視察
  3. 元日本代表 櫻井さんと冨士田さん 田河小などでバレーボール教室

歴史・自然

PAGE TOP