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社説 バスケット界が「改革」の手本

 JBLとbjリーグの分裂で、国際連盟から無期限の資格停止処分を受けた日本のバスケット界が、大きく変わろうとしている。改革を進めるタスクフォースのトップに、サッカーJリーグを創設した川淵三郎チェアマンが就任し、両リーグのねじれを一刀両断。統合へ向けて大きく舵を切った。
 川淵チェアマンは5月13日の日本バスケット協会理事会で新会長に就任。副会長には体操の小野清子さん、バレーボールの三屋裕子さんが就任した。役員トップにバスケットボール関係者が1人もいないという極めて異例な人事となった。
 会見で川淵会長は「処分は五輪予選までに必ず解除される。男女とも五輪を目指して欲しい」と力強く言い放った。バスケットボール界はピンチをチャンスに変えつつある。
 外部からの人材導入は、既得権益を守りたい人たちにとっては迷惑この上ない。「素人に何ができるのか」という批判は当然大きい。川淵会長も「当初は、サッカーしか知らない人間がバスケットのことが判るわけがない、と批判され続けてきた」と言っている。
 だが、しがらみのない人間だからこそ、思い切った改革ができることを、川淵会長は示した。「トップリーグのチームは観客5千人以上が収容できるホームアリーナを持たなければならない」「選手の最低年俸を設定する」などの厳しい条件も、バスケットボール関係者では発想できないことだった。
 これはスポーツ界の話だが、この「改革の手本」は他の業界にも当てはまる。この時期、各種団体などで総会が行われる。そして「改革」を誰もが口にする。だが関係者だけが集まった総会の中でいくら改革を論じても、劇的な変化は起こらない。バスケット界は「資格停止、五輪予選出場危機」という制裁を突きつけられて大胆な改革に動いた。いまの壱岐市の置かれた状況を本当に「存続の危機」と捉えているのなら、各種団体は外部からトップ招へいなど、痛みを伴う改革を目指すべきだ。

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