社説

ネット再構築は大丈夫か。

市ケーブルテレビの指定管理者引継問題は、まさに泥沼の様相を呈している。

市は市議会8月定例会にケーブル施設再構築事業として6億6千万円の補正予算案を計上し、可決された。現指定管理者の関西ブロードバンドと引継に関する交渉が進展しなかった場合に備えて予備的な予算執行との説明だったが、引継期間に最低でも6か月は要するため、交渉のタイムリミットは遅くても9月末。これまで1年間にわたってこじれ続けてきた交渉が、あと1か月で急転直下にまとまることは、現実的には考えにくい。

交渉不成立の場合、その損失は裁判を通して関西ブロードバンドに請求する考えだが、裁判で市の主張のすべてが認められて全額が補償されることは、これまでの民事訴訟の判例からも困難だろう。たとえ一部でも市予算で補填しなければならない事態になれば、市の責任が追求されることになる。その責任問題は別にしても、果たして来年4月から新指定管理者の下で、サービスが問題なく提供されるかどうかの不安が、市民には大きい。再構築となれば、一から契約をやり直さなければならない。その作業が本当に6か月で完了できるのだろうか。

最大の問題はインターネット回線のID、パスワードと、メールアドレスを変更しなければならない点だ。多くのインターネット利用者はルーターを通して光回線をパソコンにつなげているが、このルーター設定を一度リセットして変更する作業は、通信機器に精通していない一般市民が自力で行うのは難しい。

現在約4200世帯がインターネット契約を行っているが、そのすべてに業者を派遣して設定変更の工事を行うとなると、膨大な時間と費用を要することになる。作業期間中、継続して通信可能にするためのモバイルルーターを契約全世帯に配布するが、その設置にしても高齢者には難関だろう。

まず市民に対して判りやすく説明し、安心させることが急務だ。

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