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壱岐から東京五輪選手を 「子ども夢応援プラン」創設へ 市議会 一般質問

子ども夢プラン(子ども夢応援プランを提案した鵜瀬議員)「子ども夢応援プラン」が制度化される。18日の市議会一般質問で鵜瀬和博議員が提案したもので、ふるさと納税の使途にある「子ども応援コース」に、公式戦以外で島外遠征をするスポーツ選手の遠征費用などを支援する制度を盛り込むもの。同コースは平成25年度末までに123万円の残高があり、当初はこれを活用することで条例化は必要ない。子どもたちの夢実現が、親の夢、壱岐の元気につながるという主旨に市長、教育長も賛同し、即時実行に移す考えを示した。
壱岐の少年・少女たちのスポーツでの活躍は目覚しいものがある。昨年の陸上・ジュニアオリンピック全国大会には田中亜可梨さん(芦辺中)が出場。県下トップの実力を示している。今年は相撲の小森敬太さん(郷ノ浦中3年)が全国中学大会個人戦に出場。同中相撲部は九州大会で団体戦3位入賞。子ども自転車県大会で初山小は一昨年優勝、昨年準優勝、今年も入賞を果たした。
平成17年に制定された市の「小中学生スポーツ大会等出場補助金交付要綱」により、島外で開催される県大会に出場する個人・団体(文化活動も含む)は旅費の一部として1人8500円を補助(補助対象人数はソフトボール、野球は15人以内、ソフトテニスは10人以内など競技により設定)している。
また県大会、全国大会に出場する場合は、船賃(フェリー2等)、鉄道その他車賃などの実費、夕食を含む宿泊代(市職員等旅費規程の一般職の単価を限度とする)などが交付されている。
補助金の年間予算は500万円だが、25年度は超過したため補正予算を組み、計77件約625万円を交付。今年もほぼ同様のペースでの支給が行われている。
だがこの規定はあくまでも「公式戦」に限定されており、代表の合同練習が含まれていなかった。芦辺中2年の高木瑛奈さんは八幡小時代から女子軟式野球の県選抜チーム「ビクトリア長崎」に加入し、九州大会などに出場している。また芦辺小5年の山尾彩香さんは女子サッカーの県代表チームに選出されて、8月に鹿児島で開催された第1回九州トレセンU‐12大会でも大活躍した。試合に出場する際は補助が出ても、試合のためには代表チームでの合同練習が欠かせない。その遠征は保護者にとって大きな負担となっていた。
鵜瀬議員は「2020年には東京でオリンピックが開催される。壱岐からオリンピック選手を輩出するためにも、合同練習の旅費も補助するべき。高校生も対象にして欲しい。ふるさと納税の活用希望コースの中にある『子ども応援コース』の財源を活用できる。具体的な使途を示すことで寄付金も増えるはずだ」と提案した。
壱岐市のふるさと納税の使途は①景観・自然保護②歴史・文化③観光地④子ども⑤福祉⑥国内外交流⑦コミュニティ活動⑧その他、の計8つの応援コースが設けられており、子ども応援コースは学校施設整備、乳幼児医療費助成、図書購入費が対象となっており、これまでは乳幼児医療費助成に計1100万円が活用された。その残高は25年度末で123万円。まずはこの残高を合同練習の旅費に活用しては、という提案だ。
この提案に対して久保田良和教育長は「子どもの夢の実現は市としての責務であり、それは大人の夢でもある。ふるさと納税にも有用で、26年度から対応できるように、(ふるさと納税を扱う)政策企画課と話を詰めている」と全面的に賛同した。
白川市長も「ふるさと納税は使途も詳しく記載すべきで、非常に貴重な提案だ」と賛成した。また高校生については「学校単位のスポーツ、文化活動は県の領域だが、個人として優れた人は、対象に含まれるのではないか」との見解を示した。
市議会一般質問での議員からの提案がすぐに実現するのは極めて珍しいケースだが、「壱岐から東京オリンピック代表選手を」という夢実現のために、議会と市が一致団結して、子供たちの夢を後押しする。

子ども夢(女子サッカー県代表で活躍する山尾さん)

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