社説

市民が理解できてこそ「開かれた議会」

syasetsu 『壱岐市国民健康保険税条例(平成16年壱岐市条例第49号)の一部を次のように改正する。第3条第1項中「100分の8・4」を「100分の8・6」に改める。第5条中「22000円」を「22500円」に改める(後略)』
これは市議会5月定例会に提出された「壱岐市国民健康保険税条例の一部改正について」の議案書の内容である。国民健康保険税の値上げには市条例改正の議決が必要で、その改正点をすべて議案書に掲載しなければならないが、これを聞いて内容を理解できた人は皆無だったことだろう。議員からもその具体的な金額についての質問は一切なかった。
保健環境部長が「平均6・3%の値上げとなる」と説明したことが唯一、理解可能な言葉だったが、それでも市民は「いまの国民健康保険料がいったいいくらになるのか」というもっとも肝心な部分について想像するのは難しかったことだろう。モデルケースを示すなど、実際の料金で説明して欲しかった。
疑問はこの議案だけのことではない。大半の議案が似たような説明しかされていない。市議会は市ケーブルテレビでも放送され、「開かれた議会」を標榜している。だが一般市民が配布資料なしに議会をテレビで傍聴しても、その内容を理解するのは困難だ。これではテレビ放送の意味も薄れてしまう。
まず市・議会事務局は、議案と関連資料を議会開始前に、市ホームページで公開するべきだ。PDF資料をアップロードするだけで、作業としては難しいことではない。会議後2~3か月が経過してから会議録が公開されているが、リアルタイムではない情報は市民にとってもそれほど大きな興味の対象ではない。
議案説明する市担当者、質問する議員も、「議会は市民が傍聴している」ということを念頭に置いて、判りやすい説明と、聞き取り取り易い話し方で行うことを心掛けて欲しい。それこそが「開かれた議会」なのではないだろうか。

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