瀬戸浦の地元住民が運営する「みんなの図書館」がこのほど開館した。住民有志のまちづくり団体「せとんまち」(前田翔吾代表)が、地元のまちづくり協議会と協議し、昨年から準備を進めてきた。
建物は旧木下衣料店で、広さは15坪ほど。開館に向け、棚を手作りしたり壁を塗るなどして準備し、地元企業の協力でエアコン設置やトイレの水洗化も行った。
本は、絵本やコミック、郷土紙など800冊以上が寄せられている。当面は毎月第3日曜日(午前9時~午後4時)に開館し、地域住民による「見守りチーム」が交代で子どもたちを見守る。イベント時などは不定期で開き、子どもだけでなく、大人も集う地域の交流拠点を目指す。
館長の前田代表(36)は「開館日はまだ少ないが、気楽に来てもらえるような、『ちょっと図書館行ってくるね』と言われる場所にしたい」と話す。
前田さんは10年前、住んでいた熊本市で地震に被災した。東日本大震災の際に結成した支援チームで、熊本の復興支援に携わり、物資配送を担当した。避難所によって復興の進み方に差があることに気づき、地域行事が盛んな地区ほど住民同士の繋がりが強く、復旧が早いことを実感したという。
「『助けて』と言える人間関係があるかどうかで復興の早さが違った。子どもたちから認識される大人の存在の大切さも感じた。顔が見える距離感や、それぞれの得意分野が出せる距離感を作りたい」と前田さんは語る。「木下衣料」にちなみ、同浦在住の画家、コガワ健太さんが室内に大木を描く予定で、大きな木の下に人々が集うような図書館を目指している。

































